「ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)って、いつ日本にきたの?」など、
これまでのミドリガメの歴史と現状まとめ。世間にあまり知られていない、アカミミ事情や情報をご紹介。
アカミミガメがどうやって日本中に広まり、今のようになったのかが分かります。
また「飼育禁止になるの?許可はいる?」といった噂のウソホント・外来種としての現状・今後の扱いはどうなるのか、見ていきましょう。(最後に動画あり)
【目次・これまでの歴史】
1、ミドリガメ来日は1960年
2、お菓子キャンペーンで認知
3、縁日の亀すくいで全国へ
4、サルモネラ報道が起こる
5、外来種として問題になる
6、飼育禁止の可能性が出る
7、法整備で今後も飼育可能に
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1、ミドリガメ来日は1960年
ミドリガメが日本で初めて飼われたのは、1960年の上野動物園。今は絶版の「みんながしらないカメの話(1994年出版)」に、記録が残っています。
1960年の上野動物園に、熱帯魚屋のおじさんが5匹の緑色の子ガメを持ってきます。この亀はアカミミガメではなく「チズガメ」で、熱帯魚の予備室で飼育。秋になって再び、おじさんが「こんな亀も入りました」と持ってきたのが「キバラガメ」と「アカミミガメ」だったそう。
これが、日本で一番最初にミドリガメを飼育した記録です。
2、お菓子キャンペーンで認知
1960年代半ば、「この可愛い亀たちを子供たちに知ってもらいたい」という思いから、M製菓が「アマゾンの緑ガメが当たる」という企画を行います。景品になったミドリガメは、南北アメリカ大陸産のアカミミガメ・キバラガメ・クジャクガメなどランダムだったそう。
このチラシの亀は、コロンビアクジャクガメですね。このキャンペーンがきっかけで「ミドリガメ」という存在が世間で認知され始めます。
3、縁日のカメすくいで全国へ
60年代半ばに存在が知られるようになったミドリガメは、キレイな緑色と可愛さで大人気に!
1960年代後半には、日本全国に広がります。縁日の「カメすくい」で多くのアカミミガメが子どもたちの手に渡り、金魚店やペットショップなどでも取り扱われるようになります。
ところが、当時は正しい亀の知識や飼育方法が世間に知られていなかった時代。
「成長して凶暴化した」「大きくなりすぎて飼えない」「狭い水槽ではかわいそう」といった理由から、自然界へ放されるミドリガメが増えます。
4、サルモネラ報道が起こる
1970年、ミドリガメを飼っていた子どもがサルモネラ菌に感染してニュースになります。その後も80年代・90年代にかけて各地で感染報道があり、「ミドリガメを飼うと病気になる」「毒がある」といったデマも流れるようになります。
これらの
サルモネラ報道も、アカミミガメが遺棄される原因の一つになりました。
5、外来種として問題になる
90年代には、アカミミガメを池や川でよく見られるようになり、生態系の破壊や農作物への被害が問題に。
2005年に「外来生物法」が施行され、このとき、ミシシッピアカミミガメが「要注意外来生物」に指定。その後10年間、勢力拡大や生態系の破壊が深刻だったため2015年には「緊急対策外来種」に。各地で駆除や対策がとられるようになります。
環境省は「2020年をめどにアカミミガメを特定外来生物へ指定する方針である」と、発表します。
6、飼育禁止の可能性が出る
2015年以降「もし、アカミミガメが要注意外来生物から特定外来生物に指定されたらどうなるの?」と、問題になりました。
もし、特定外来生物に指定されたら、飼育禁止となります。飼育・販売・譲渡など、生きたままの移動ができません。これまで通り飼育を続けるためには、飼育許可申請が必要です。
そうなると「
許可申請しなかったら、飼っているだけで懲役3年・罰金300万円以下の罰則がある。特定外来生物に指定される前にさっさと離してしまおう!」といった悪意で捨てられるアカミミガメが、何万匹も出てしまうであろう事態が心配されていました。
7、法整備で今後も飼育可能
2022年5月に、法案が可決。今後、もしアカミミガメが「特定外来生物」に指定されたとしても、ペットとしてであれば、これまでと変わらず飼育や譲渡がOKに!
今飼われているアカミミガメを遺棄から守り、より愛されて幸せに暮らせるような法整備が進みました。
以上が、1960年から2022年現在までの「ミドリガメの歴史」まとめ。ミドリガメについて、知っていただくきっかけになれば幸いです!
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