1、カメが長生きなのは「心拍数が少ないから」
まず、番組内で紹介された、おもなカメさんたちの寿命がこちら。
●ミシシッピアカミミガメの寿命・・・50年以上
●リクガメ(ヒョウモンガメ)の寿命・・・100年以上
●ガラパゴスゾウガメの寿命・・・170年以上
一般家庭でペットとして飼われているカメでも、一般的な寿命は50年。犬や猫などと比べると、本当に長生きなのが分かります(笑)
2、なぜ心拍数が少ないと長生きなの?
ここで、「カメの研究」といえばこの方!愛知学泉大学 矢部隆先生が登場。
「心拍数」というのは「一分間に動く心臓の回数」のことになりますが、「
なぜ心拍数が少ないと長生きなのか」というと「代謝のスピードが抑えられ、活性酸素が発生しないため老化が緩やかになる」からだそう。
生物は、呼吸をして食べ物を食べることで「活動エネルギー」が発生し、呼吸と食事からエネルギーを生産する過程を「代謝」と呼びます。
「代謝」を終えると、余った酸素は「活性酸素」になります。活性酸素は、体内で発生したガン細胞や侵入したウイルスなどを攻撃して私たちの身体を守ってくれる一方、正常な細胞も攻撃します。その結果、
「体を老化させてしまう」という残念な面も。
「心拍数が多い=呼吸数が多い」ということになり、体に取り入れる酸素の量が増えるとその分だけ「活性酸素が増える=老化しやすく短命」になります。
3、他の動物とカメの心拍数の比較
番組内で、色んな動物たちとカメの
心拍数を測定した結果です。
人間の心拍数が、1分あたり約60〜70回だそうですが、カメ、少なっ!(汗)
これだけ見ても、ハムスターや他の動物たちと比べて、カメがいかに心拍数が少ないかが一目瞭然。ここで心拍数を測定したカメ代表は、矢部隆先生のケヅメリクガメ「ケヅーくん」。
カメ研究第一人者の矢部先生も、心拍数を測るのは初めてだったそうですが。なんと、ケヅーくんの心拍数は、1分当たりたった8回。
しかも、カメの心臓の鼓動は、不整脈のようにとっても不規則なことも判明。まるで「脈さえうってりゃいいか」というような、アバウトな感じ。「心臓、これで大丈夫なの!?」と思わず叫んでしまうレベルです。
これは
「カメが甲羅に身を隠す動物だから」なのだそう。
カメは甲羅に身を隠すとき、「肺にたまった空気をすべて外へ出し、その隙間に頭部や手足を折りたたんで収納する」というシステム!
そのため、
甲羅に引っ込んでいる間、カメは無呼吸のままでいられます。
甲羅に引っ込んでいる間はずっと無呼吸状態が続くことになるため、他の動物と比べて心拍数もゆっくり、呼吸数も少なく、長生きするそうです。これで、私たちがずっと知りたかった「亀が長生きする理由」がよく分かりました。
矢部先生、チコちゃん、とても面白い解説をありがとうございます!矢部先生のカメへの愛情があふれる笑顔が一杯の、とても素敵な番組でした。
我が家のカメは、今年21歳の二ホンイシガメと、7歳のヘルマンがいますが、これからも一緒に長生きしたいです!