食の偽装で2007年の日本は大揺れでした。
中でも有名料亭が佐賀牛などの九州の牛肉を、
兵庫県の但馬牛や三田(さんだ)牛と偽装して、
店の信用を完全に失ったのは記憶にあたらしいところです。
松阪牛や飛騨牛、近江牛など、日本では牛肉にもブランド志向があります。
これらは基本的に黒毛和牛という事になっていますが、
中にはあいち知多牛のように和牛とホルスタインの交雑種のものもあります。
ところでヨーロッパではどうなっているのでしょうか?
産地ではありませんが、イギリスでは一部で牛の品種の表示が行なわれています。
イギリスで飼育されている牛は基本的に
乳牛であるホルスタイン種(おなじみ白と黒のまだら模様)や
ジャージー種(薄茶色の小型の牛:
過去のネタを参照のこと)、
肉牛ではアンガス種(黒毛)やヘレフォード種(白と茶色のまだら模様)が中心です。
このうち、アンガス種は質がいいため、
スーパーでも特に表示されて売られています。
また、他の牛肉はパック詰めで売られているのに、
アンガス種だけはわざわざカウンターで店員に頼んで
量り売りをしているケースが多くなっています。
ヘレフォード種もアンガスほどではないものの
比較的質がいいため、一部のスーパーでは種類名を表示して売られています。
ところでイギリスは過去にBSE(いわゆる狂牛病)騒ぎで
畜産業界は大打撃を受けました。
このため業界は必死で信用回復に努めており、
原産地表示はカラー印刷のステッカーで分かりやすく表示しています。
イギリスの場合は国内産とアイルランド産の両方があり、
きちんとわけて表示されていますが、品質的にはあまり変わりません。
また、イギリスのマクドナルドは国産牛肉100%と表示しています。