亀・リクガメの、地震・災害時の対処と飼育
亀・リクガメの飼育で、飼い主さんが知っておくべき
「災害時の対処法・必要なもの・飼育方法」をご紹介します。
「南海トラフ」や、毎年のように来る大型台風などの災害に備え、準備をしておきましょう。
※この記事は、東日本大震災発生時に発売された「ビバリウムガイド53・災害時の爬虫類マニュアル」をまとめたものです。冨水明さんの実体験が掲載されています。こちらでは、「亀」に特化した情報をご紹介します。
■地震や災害が起きたら?
【1】真っ先にバスキングライトを消す
地震が起きたら、
水槽やケージの電化製品をコンセントごと抜いて消します!バスキングライトや水中ヒーターなど高温になる電気器具に物が触れると、大変危険!(ブレーカーを落とすのも可。)
【2】バスタブに大量の水を溜めておく
飼い主も、動物たちも、水がなければ生きていけません。断水になる前に、水をバスタブに大量に溜めましょう。とくに、多くの水を必要とする水棲ガメがいる場合、普段から水を多めに用意しておきましょう。
■できるだけ自宅で飼育を
災害時、亀やリクガメたちを
「自宅に残して飼育」「一緒に連れて避難」どちらかを選択しなければなりません。「家が全壊」などの事情をのぞき、数日ほど避難所へ身を寄せるような場合であれば、「自宅に残して飼育」が最も安全でおすすめです。避難所でのトラブル防止のため、極力、連れ出しは避けましょう。
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亀・リクガメと、地震災害時に一緒に避難する方法
■災害時に必要なもの一覧
○災害用ケージ(「予備ケージ」と「避難箱」)
○使い捨てカイロ
○新聞紙
○キッチンペーパー
○ゴミ袋
○ペットボトル
○水
■災害時の亀の飼育方法
「自宅に残して飼育」する場合のポイントは、以下の4つ。変温動物である亀やリクガメは、「低温になると活動をセーブする」「飢えや乾きに強い」という特性があります。これを活かすことが、生き残るカギとなります。
1、電気・水道が復旧し、適切な環境で飼育できるまで亀の活動をセーブ。
2、電気器具は使わず、冬は「使い捨てカイロ」を。夏は日影で風通し良く。
3、「死なない温度(10〜20℃以下)、暗く身動きが取れない環境」で飼育。
4、餌は厳禁。水は必ず与える。排泄物はすべて出し切った状態にする。
○ライトやヒーターは消す
火災防止と亀の活動をセーブするため、ライトやヒーターなどの電化製品は使わないよう注意。災害時は、電力供給が不安定でいつ復旧するかも分かりません。その間、中途半端に活動可能な明るさや温度を保つことは、亀にとって大きな負担になります。
○保温は「使い捨てカイロ」
真冬で5℃以下の場合、亀やリクガメが凍死する危険があります。「使い捨てカイロ」「湯たんぽ」「ペットボトルにお湯を入れたもの」で、ケージの外から保温します。亀が直接触れないよう注意。10〜20℃前後の範囲で、
「亀が死なない温度」をキープ。
○夏は日影と風通しを確保
夏に被災した場合、残念ながら温度を下げることはできません。亀は熱中症にかかりやすいため、日影で風通しの良い場所に水槽を置くようにします。自宅に亀を置いたまま避難する場合、家は完全に締め切らないで風通しだけは常に確保してください。
○餌は厳禁・水だけ与える
亀やリクガメは、飢えや乾きに強い動物です。水さえあれば、1〜2ヶ月は何も食べずに生き延びることができます。適切な環境で飼育できるまで、餌は与えず水のみ与えてください。未消化の餌が内臓に残るのを避け、排泄物を極力減らすためです。
○排泄物は命取りになる
災害時は、掃除や水換えは難しいです。亀がフンや尿をすると、排泄物に含まれるアンモニアなどの毒素で死に至る危険があります。排泄物が出たらすぐ取り除いてください。絶食状態で内臓を空っぽにし、排泄物を出し切った状態を保ってください。
以上が、「
ビバリウムガイド53」に掲載されていた「災害時の亀やリクガメの飼育ポイント」まとめです。今では手に入りにくい書籍ですが、興味のある方は是非チェックしてみてください。
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