シオン修道会の成立は1090年の聖地エルサレムだという。
この結社の存在が明るみに出たのは1964年から67年にかけて、
「秘密文書(ドシエ・スクレ)」と呼ばれる文書がフランス国立図書館に寄託されたことによる。
シオン修道会の歴代総長には蒼々たるメンバーが揃う。
ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、
ヴィクトル・ユーゴー、クロード・ドビュッシー、ジャン・コクトーなど。
シオン修道会の最終目的は、メロヴィング王朝の復興だ。
その実動部隊が
テンプル騎士団だという。
メロヴィング王朝とは、5世紀末頃に西ヨーロッパに出現した王朝で、
シオン修道会によれば、この王朝の先祖は、なんとイエス・キリストであり、
イエスの子孫を王に戴く王朝をヨーロッパに樹立することが彼らの最終目的なのだ。
イエスの伴侶とされるマグダラのマリアは南フランスに漂着したという伝説がある。
彼女がイエスの子孫をもうけていたとなれば、
ローマ・カトリック教会にとっては最大の打撃となる。
しかし、これらの事を語った1980年代の総長ピエール・プランタールは、
1993年に修道会に関する情報はすべて自身による捏造であると暴露。
プランタールは、カトリック薔薇十字団のジョルジュ・モンティに会ってから
神秘主義にのめり込み、1940年にはアルファ・ガラトという秘密結社を組織。
シオン修道会は、この結社の延長上にある実在の組織だった。
やがて妄想がふくらむと、用意周到に資料を自作自演したのが真相のようだ。