英国鉄道の列車の車両や編成には、愛称がつけられることがあります。
その多くは長距離用の電車や機関車等、車両そのものに名付けられ、
名称のプレートが車両に取り付けられます。
愛称名は固有名詞から付けられます。
一番ポピュラーなのは、やはり歴史に名を残した偉人です。
ヨーク(York)にある国立鉄道博物館が所蔵する蒸気機関車34051号には
ウィンストン・チャーチル(Winston Churcil)の名が付いています。
チャーチルはイギリスの首相で、ちょうど第2次大戦中に在任していました。
既にサウスウエストトレインズからは引退してしまいましたが、
Seaviewがロンドンへ行く時によく利用していた車両が442形電車です。
5両編成ですが、モーター付きの車両(M車)は中央の1両だけで、
この車両にはビュッフェや荷物室が付いていただけでなく、
ほとんどの編成には愛称のプレートも取り付けられていました。
442形の愛称名は必ずしも人名ばかりではありませんでした。
いくつか例を挙げると・・・
Thomas Hardy(トーマス・ハーディ:英国を代表する詩人・作家)
Bournemouth Orchestras(ボーンマス交響楽団)
County of Hampshire(ハンプシャー州)
Beaulieu(ビューリー:村の名前)
Meridian Tonight(メリディアン・トゥナイト:民放のニュース番組名)
こうしてみると、いろんな名前が付けられていることに驚かされます。
ユニークなのは、やはりヴァージングループです。
ヴァージントレインズの特急用車両には都市名がついているものもありますが、
一般的には独特のネーミングを持ちます。
Virgin Angel(ヴァージン・エンジェル)
Virgin Star(ヴァージン・スター)
Virgin Invader(ヴァージン・インヴェーダー)
Virgin Lionheart(ヴァージン・ライオンハート)
そしてヴァージンは故障時の救援用のディーゼル機関車57/3形に
日本では考えられないような名前を付けました。
それは、BBCが制作した人形劇テレビ番組の名作
「サンダーバード」(Thunderbirds)の登場人物名を付けているのです!!
さらに、人物名の上には登場人物が所属する組織である
IR(International Rescue=国際救助隊)のエンブレムまで取り付けられています。
写真右の機関車にはGordon Tracy(ゴードン・トレイシー)の名が付いていました。
いかにもイギリス人らしい、洒落の効いたネーミングといえます。
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