ヨーロッパへ行く時、風邪薬や胃腸薬などは、
普段使い慣れた日本のものを持っていく方が良い、とよく言われます。
その理由は、私がイギリスに住んでみて、
そしてフランスで病院に駆け込んでみて初めて分かりました。
薬は本来は医師の処方箋に基づく形で購入するものですが、
日本のように、薬局で自分で選んで買うことができる薬のことを
OTC(Over The Counterの略)と呼んでいます。
このOTCの薬は、一般的に効き目が穏やかなので、
その分安全性も高くなっています。
イギリスにもOTCの薬は存在します。
しかし、成分をよく見るとちょっと驚いてしまいます。
イギリスではパラセタモールという成分が、風邪薬としては一般的です。
日本ではパラセタモールのことをアセトアミノフェンと呼んでいます。
ところが、日本の第一三共ヘルスケアが出している
新ルルA錠ではアセトアミノフェンが1日の服用量で900mgなのに対し、
イギリスではパラセタモール1000mgを1回の服用量としているのです!!
素人が見ても、日本の1日分以上の分量を1回で服用するのですから、
必然的に薬の効き目がそれだけきつくなる可能性があります。
このため、海外で日本と同じ感覚でOTCの市販薬を
気軽に買うのは避けましょう。
イギリスの場合も日本同様、薬局には薬剤師がいるので
英語ができるなら是非相談しましょう。
そしてできることなら現地の薬を買う場合は、
医師の診断を受けてから、処方箋を出してもらうことをお勧めします。
なお、フランスでは原則としてOTCの市販薬は存在せず、
処方箋がないと薬が買えませんので、ご注意ください。
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