残念ながらパリやロンドンをはじめとしたヨーロッパの街では、
日本人はスリの被害に遭う事が多いです。
人種が違うから目立つのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は理由はちょっと違うのです。
ヨーロッパの人達は、もともとあまり現金を多く持ち歩きません。
例えば、イギリス人は一度にキャッシュコーナーから下ろす現金は
せいぜい£50(11,000円)程度に過ぎません。
さらに£50のお札を使う機会はほとんどなく、
たいていは£10か£5が多く使われ、時々£20が使われる程度です。
これは銀行取引形態の違いに理由があります。
ヨーロッパで銀行口座を開くと、たいてい小切手帳がもらえます。
そして普段の支払も少し大きな金額になると、
小切手で支払う習慣があったからです。
このため、スーパーなどでも個人が支払いのために
小切手を切っている場面を見たことがイギリスやフランスでありました。
現在はキャッシュカードをそのまま買い物に使える
デビットカードが普及したため、小切手の代わりに広く使われています。
こういったヨーロッパの事情を知らず、
しかも小切手を使うのに慣れていない日本人は、
高額商品の買い物にも現金払いをすることが多いので、
多額の現金を持ち歩いていると思われる原因となります。
さらにヨーロッパへ行くのに、わざわざ着飾って行く日本人も多く、
「自分は金持ちだ」と見せびらかす結果を招いてしまっています。
例えばパリのルイ・ヴィトンの本店に行くのに、
着飾ったうえに多額の現金を持って行き、
地下鉄を利用して駅から歩いて店内に入り、
買い物をしたあとも歩いて駅へ行って
ブランド名の入った紙のバッグを持ったまま乗るなんて、
スリから見れば、まるで「カモがネギを背負って歩いている」状態なのです!
現地のお金持ちはこういう場合、クルマで移動します。
日本人も高級店での買い物のあとは、ハイヤーかタクシーでの移動が安全です。
そして、支払い手段はクレジットカードを使うことを原則にしましょう。
どうしても現金決済の方がいいなら、
代わりにトラベラーズ・チェックを使いましょう。
トラベラーズ・チェックなら有名店ではそのまま支払に使えるので便利です。