英国にもかつては国鉄が存在していましたが、
日本とは異なる形でかなり以前に分割民営化が行なわれました。
まず線路を所有する会社と運行する会社に分け、
さらに運行する会社はフランチャイズ制をとり、
基本的には10年契約(短い場合もある)を結ぶ形になっています。
運行する会社は日本よりもはるかに数が多く、
さらに運行エリアもダブっているケースが少なくありません。
フランチャイズは契約が終わる前に
次の契約を希望する会社が応募する形をとります。
そしてDepartment for Transport(交通庁)が資格審査を行い、
それによって選ばれた会社が運行する権利を獲得するのです。
このため、同じエリアを運行する会社が契約終了と共に
変更されることもめずらしくありません。
単純に分割して株式会社にしたあと、政府保有の株式を売却して
民営化を行なった日本のシステムとは全く異なります。
ここで日本でも有名なヴァージングループを例に挙げて説明します。
ヴァージングループは、ヴァージントレインズの名前で
「クロスカントリー」と「ウェストコースト」の
2つのフランチャイズを持っていました。
しかし「クロスカントリー」に関しては2007年11月に
路線バス大手のアリーヴァグループがフランチャイズを獲得したのです。
これに伴い、サービスの内容も変更される予定になっているのです。
ヨーロッパでは交通企業が多角化を進めており、
イギリスのバス会社グループの多くが鉄道のフランチャイズを獲得しています。
また、フランスの会社がイギリスのバス会社の買収に踏み切っていたり、
さらに香港の地鉄公司(MTR)もイギリスの鉄道事業への
進出を計画していたこともあるなど、戦国状態になっています。
このようにイギリスの鉄道事業は少々複雑なので、
どの会社が運行しているかは、下記のナショナルレイル公式サイトで
確認しておくことをお勧めします。
http://www.nationalrail.co.uk/tocs_maps/tocs/
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