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イギリス生まれのパラリンピックの今後

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◇登録日
2008年9月18日
Seaview
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    北京パラリンピックが閉幕しました。
    日本勢はメダル獲得数が大幅に減ってしまいましたが、
    これにはちょっとした事情があります。

    パラリンピックは障害者のスポーツ大会です。
    スポーツと名乗る以上は、単なるリハビリの成果を示すものではなく、
    競技性を重視するものになってきているのです。

    しかし、日本では健常者のスポーツは文部科学省なのに対し、
    障害者は厚生労働省という、所轄官庁さえ違うという現実があります。

    このことは、障害者スポーツの振興に大きな影響を与えています。
    実は日本での障害者スポーツの指導員は、
    その多くが障害者福祉に携わる人たちであり、
    リハビリの延長という意識が強く残っているため、
    純粋にスポーツの経験から指導者になっている人が非常に少ないのです。

    このことは、スポーツの常識が障害者スポーツに
    通用しないケースを生み出しています。
    その結果、競技性を重視して健常者と同様の指導体制を持つ
    諸外国に遅れをとりはじめ、北京パラリンピックでの
    日本のメダル数の減少につながった、という見方をすることもできます。

    もうひとつ重要なのは、パラリンピックの成り立ちです。
    イギリスのロンドン郊外にあるストークマンデビル病院で行われた
    スポーツ競技会がパラリンピックの源流なのですが、
    実はこの競技会のもともとの目的は、第2次世界大戦によって負傷して
    障害者になった戦傷病者のために行ったものなのです。

    このため、病気などで障害者になった人たちのための
    リハビリが目的ではなかったという歴史的な経緯があることから、
    競技性が重視されるひとつの理由になっているようです。

    その結果、パラリンピックには知的障害や聴覚障害の選手は
    出場が認められておらず、別に大会を開いている状況なのです。

    国際的にも、パラリンピックは「障害者の」という意識が薄れつつあります。
    このことを念頭に置かないと、日本の選手強化が遅れをとるのは必至です。

    2012年、パラリンピックはその発祥の地、イギリスに戻ります。
    この際「障害者への福祉」という考えよりも、
    「障害者が持つ無限の可能性」という考えに切り替えて、
    日本の代表選手を育成していかなければ、
    世界の舞台で活躍することは難しくなるでしょう。
    そして、ヨーロッパ勢や中国勢と対等に戦えるよう、
    今から選手強化をする必要があるとSeaviewは考えます。
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