全身を白装束で多い、尖ったフードをかぶる不気味な姿。
白人至上主義を標榜し、悪行の限りを尽くす人種差別集団として有名なのが
アメリカの「KKK(クー・クラックス・クラン)」だ。
発足は南北戦争直後の1865〜66年とされる。
北軍の勝利によって南部の黒人奴隷が解放されるなど、
一連の措置に不満を抱いた南部の旧軍人の一部が白人優位の伝統を取り返そうと、
テネシー州に秘密結社を結成したのだ。
ただし、これには前段階があって、本来は徴兵を解かれた大学生や復員軍人が、
夜更けに白い服を着て歩くことで、アフリカ系黒人達が幽霊と間違えてパニックに
陥るのを面白がった悪戯にすぎなかったのだという。
しかし、本気で白人優位主義を訴える秘密結社は、当時の南部には無数にあった。
それぞれは南北戦争で弱体化したが、残ったメンバーはむしろ、
より深い黒人への憎悪を抱いていた。
そんな人々がKKKに目をつけ、集まってきたのである。
こうして1867年4月には、全国大会も開かれ、
旧南軍の退役軍人ネイサン・フォレストが最高指導者に選ばれた。
白装束の夜の徘徊も、最初は黒人たちを脅かすだけだったが、すぐに暴力へエスカレート。
彼らが勝手に決めた時間に外出していた黒人達を鞭で打ち、
それを批判した白人にまで容赦なく暴力を振るうようになった。
そして、投票権を行使しようとした黒人を殺害するに至り、
連邦政府もこれを問題視。KKKの解散の法案が議決される。
ただし、そこには妥協もある、彼らの反発を消すために連邦政府は、
黒人への投票権を剥奪してしまう。こうして最初のKKKの活動は幕を閉じた。
続き→「KKK(クー・クラックス・クラン)」【第2次】【画像左:KKKシンボルマーク】
【画像中央:ネイサン・フォレスト】
【画像右:初期のKKK】