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イギリスの価値観はひとつではない

◇評価 20ポイント
◇閲覧回数 10,311
◇登録日
2008年10月21日
Seaview
Seaview
道場主

Lv.48

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    イギリスはかつての植民地政策の関係もあって、
    移民が多く存在することから、多くの人種が混ざって住んでいます。

    従って宗教も多様です。
    イギリスでは多くの宗教が共存しています。
    Seaviewが住んでいたボーンマスでは、
    英国国教会に所属する教会(チャーチ)の他に、
    他のキリスト教系の教会やユダヤ教の教会(シナゴーグ)、
    イスラム教の寺院(モスク・マスジッド)、
    さらには仏教の教会(寺ではない)なども存在していました。

    このことは、食生活にも大きな影響を与えます。
    イギリスのスーパーでは、特に肉類において
    ユダヤ教向けの食材であるコーシャのコーナーが
    特別に設けられていることが多くなっています。
    コーシャには細かい規定があり、認証機関も存在します。

    一方、イスラム教も同様にハラルが存在します。
    こちらも肉類を中心に細かい規定があり、やはり認証機関があります。
    ハラルの場合は一般のスーパーでは扱わないので、
    ハラルフード専門のお店が多く存在します。
    また、一部のファストフード店では、
    ハラルに対応しているところもあるほどです。

    香港を中心とした広東方面から来た中国系も
    イギリスではかなり強い力を持っています。
    インドやパキスタン、バングラデシュからの移民も多く、
    民族内でのつながりがかなり強くなっています。
    両方とも独自のコミュニティを持っており、
    まとまって住んでいる地域もいくつか見られます。

    アフリカ系は黒人を中心に国の枠を超えてまとまっており、
    ルーツが同じカリブ系とまとまることもあります。
    もっとも他の民族よりは白人社会とうまく溶け込んでおり、
    アメリカとは違う様相を見せています。

    アジア系はやはり国別にまとまる傾向があります。
    ただ、欧米系に近づきたい願望を持つ日本人は、
    白人社会と比較的スムーズな交流ができているようです。

    このように、イギリスは既に民族がモザイク状に存在するため、
    統一した国民性というのが造りにくくなっているのが実情です。
    異なる民族や宗教は、根本的な考え方から違いがあるため、
    無理に統一させようとすると、社会にひずみを生じるのです。

    ですから、イギリスでは多民族に対応する施策を行っており、
    特定の民族が優位にならないような配慮がなされています。
    日本と異なるルールがあるのは、こういった要因から来ているようです。
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