日本は石油を主に中東から輸入しています。
ではヨーロッパではどうなっているのでしょうか?
実はヨーロッパには産油国が2つ存在します!!
ひとつはノルウェー、もうひとつはイギリスです!
日本ではノルウェーは漁業の国として有名です。
それも事実で、北海の豊かな漁場に恵まれ、
サバや鮭などの魚がたくさん獲れます。
クジラを食用にする点でも日本と共通しており、
日本と同じく捕鯨国であります。
鮭は養殖も盛んで、日本にも大量に輸出しています。
しかし、実はノルウェーが豊かなのは、
北海にある油田からの原油採掘があるからなのです。
日本の外務省の資料によれば、石油と天然ガスはGDPの実に4分の1を占め、
輸出額にいたっては3分の2以上を占めているほどなのです!
ノルウェーにはStatoilHydro(スタットオイル・ハイドロ)という
世界最大級の原油販売量を誇る国営企業が存在します。
もともとはStatoilとNorsk Hydro(ノルスクハイドロ)が合併してできた会社です。
このうちStatoilはノルウェー国内ではガソリンスタンドも展開していて、
自動車を運転する人には、身近な会社でもあります。
StatoilHydroは本社をStavanger(スタヴァンゲル)においています。
この都市はオスロからはかなり離れており、北海に面した港町です。
しかし、ここは石油産業が盛んであり、北海油田への前線基地になっています。
平地が少なく、漁業のイメージしかないノルウェーが、
なぜ世界有数の豊かな国なのかが、これでお分かりいただけたかと思います。
では電力に関してはどうなっているのでしょう。
実は山と川に恵まれたノルウェーは、
それを生かした豊かな水力発電により、
国内の電力需要をほぼすべてをまかなっているのです!!
その上、大量の電力消費を伴うアルミニウム精錬なども盛んです。
このため、ノルウェーは産油国にもかかわらず
火力発電を行わないという、珍しいエネルギー政策を持っているのです。
ノルウェーは美しい風景と複雑な海岸線が観光の売り物ですが、
産業観光の点でも見所がたくさんあるのです。
オスロだけでなく、ベルゲンやスタヴァンゲルなど
地方拠点都市を訪ねるのもお勧めです。
エネルギー問題を考える上で、ノルウェーへの視察は、
何か大きなヒントを与えてくれるかもしれません。