日本からヨーロッパへのフライトは観光需要が少なくありません。
このため、景気の変動の影響を受けやすく、
このところ減便のアナウンスが発表されています。
実際、中国路線や東南アジア路線よりも、
日本路線の方が減便のターゲットになりやすいのです。
ドイツのルフトハンザ航空(LH:写真左)は毎年冬になると、
中部国際空港(セントレア)からフランクフルトへの便のうち
火曜・木曜に日本を発着する便を運休にしていますが、
今年はそれに加え、具体的な日時を指定したうえで
関空発や成田発でも一部の便を運休させることを発表しました。
これまで運休することがなかったブリティッシュエアウェイズ(BA:写真右)も、
1日2便ある成田―ロンドンの便を2008年12月6日より
1日1便欠航させることを発表しています。
さらに、2009年3月からは正式に減便して
1日1便体制にすることも決めています。
しかし、この決定とは裏腹にこの冬は、
ヨーロッパへ旅行を計画する日本人が急増しているのです。
このため、BAのフライトは2月を中心にかなり予約が混み合っており、
週末前後はエコノミークラスが満席になっている便も少なくない状況です。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
もともと、この減便は石油価格の高騰に大きな要因がありました。
したがって燃料サーチャージの支払いを嫌った日本人観光客は、
ヨーロッパ行きを控える傾向にあったのです。
ところが燃油価格が下落し始めた頃、
アメリカが発端の世界的な金融危機の影響をあまり受けなかった日本は、
米ドルに限らず、ユーロやポンドでも円高が進行し、
ヨーロッパ旅行に割安感が出てきたのです。
さすがにこの円高をヨーロッパ系の航空会社は
予想していなかったようです。
現在、ヨーロッパ人が多く渡航するタイでは、
反政府派による空港占拠が起こっており、
タイへの便を減便する必要にせまられる可能性が出ています。
ここで当初の予定を変更し、日本線の運休便を復便すれば
価値の上がった日本円を獲得して経営にプラスにできるはずです。
でも、急に変更できないのが航空会社のつらいところ。
運休便のダイヤで臨時便を立てるのか、この先注目したいところです。
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