日本の終戦記念日は8月15日ですが、
イギリスの終戦記念日は11月11日です。
この終戦記念日は第1次世界大戦の終わった日です。
主戦場がヨーロッパだったこの戦争では、
イギリスでも大きな被害を受けたことから、
90年も経った今も、鎮魂の日として1日を過ごします。
ただ、お盆休みの中で終戦記念日を迎える日本との大きな違いは、
イギリスではこの日も休むことなく、通常通りの生活をすることです。
もっともユニオンジャックの半旗を掲げ、
午前11時からは終戦記念日の式典の生放送を行う
BBCのテレビにあわせ2分間の黙祷を捧げます。
Seaviewの宿泊しているホテルでも、
全従業員と有志がロビーに集まり、黙祷を捧げました。
なお献花式が、11月9日にもエリザベス女王ご臨席のもと、挙行されました。
戦没者の慰霊塔には、ポピー(ひなげし)の花で作られた花輪をお供えします。
この時期、多くの人がこのポピーの花をかたどった
バッジを取り付けるのが慣わしになっています。
(写真左:BBC NEWSのキャスター)
これは募金をした人がその証拠として付けるもので、
日本でいう赤い羽根のような印象がありますが、
実は似て異なるものです。
ポピーアピール(Poppy Appeal)というこの行事は、
戦争による犠牲者への援助を目的にした募金活動です。(写真中)
これは多大な犠牲を払った戦士やその家族が
身体的・経済的にダメージを受けることが多いために、
それをサポートするために行うものです。
今年からは、ポピーの造花でつくった「ポピーマン」も登場しました。
(写真右:ヒースロー空港ターミナル5)
ところで、なぜポピーの花なのでしょうか?
これは野生のポピーの種が、他の植物が枯れた後で
芽を出すということが関係しています。
第1次大戦の主戦場だったベルギーの
フランダース地方では多くの犠牲者が出ました。
その惨状を見たカナダのジョン・マックレー軍医(John McCrae)が書いた、
戦死した兵士をポピーに見立てた鎮魂の詩が由来のようです。
また、ポピーには「眠り」の意味も併せ持っているそうです。
イギリスは現在もあちこちに派兵していますが、
その是非についての国民の意識は、必ずしも同じではないようです。
今なお犠牲者が増え続けることという現実の問題を心に留めながら、
Seaviewはこの鎮魂の日をロンドンで過ごしているのです。
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