燃える氷として知られている「
メタンハイドレート」。
メタンガスを水分子が取り囲む構造を持っているこの物質は、水深1,000-2,000m付近の海中でのさらに地下数百mの位置に分布しています。
資源欠乏国と言われている日本において、世界最大の埋蔵量を誇り、開発次第ではエネルギー大国に変革できるかもしれない、夢のような物質です。
しかし今のところ採掘コストが高く、石油の代替エネルギーとなることは非常に難しいのが現状です。
2016年までには日本政府が、メタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させるという計画もあります。
このメタンハイドレートという物質ですが、地球上における大量絶滅の原因になった可能性もあるそうです。
約6500万年前の恐竜絶滅は有名ですが、それ以前にこれよりも深刻な生物大量絶滅があった事は知っていますか?
約2億5000万年前には、動物・植物を含めた全生物の95%が絶滅した事件がおきました。
この原因がメタンハイドレートの気化による温暖化ではないかといわれています。
その気化したメタンが酸素と結びつき、「スーパーアノキシア」という超酸素欠乏症事件がおきたと予想されています。こんな異常なことは現代において起きないでしょうが、海中温度が上昇すればメタンハイドレートの融解・気化が始まる可能性があります。そうなると温暖化に拍車がかかる結果となってしまいます。
有効なエネルギーですが、取り扱いを間違えると大変なことにつながりかねません。
安全で慎重、かつコスト安な、難しい採掘技術の開発が待たれます。
参照:
メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム参照:
石油資源開構株式会社