日本で開催された2008年のクラブワールドカップで、
マンチェスター・ユナイテッドの世界一に貢献したリオ・ファーディナンド。
心優しきこのタフガイは、あの痛ましい事件を忘れてはいなかった。
話は、ファーディナンドがリーズに所属していた2001年6月に遡る。
母親と同僚のスミス(現ニューカッスル)とともに日本でオフを楽しんでいた彼は、
観戦した日本代表とフランス代表のコンフェデ杯決勝にて両チームが捧げていた黙祷により、
その2日前に起こった池田小児童殺傷事件を知る。
心を痛めたファーディナンドは、その翌日、母親が楽しみにしていた京都旅行を急遽キャンセル。
スミスとともに、23人が死傷した池田小の現場に献花を捧げにいったのだ。
「国籍も肌の色も関係ない。ひとりの人間として冥福を祈りたかったんだ」あれから7年半ーー。
ファーディナンドは、2008年の来日時にも、メッセージを添えて花束を贈った。
「あの悲しく痛ましい事件が、わたしの頭から離れることはありません。
いつかまた、追悼の意を捧げたいと思っていました。
残念ながら今回は、日程の関係で大阪に行けません。
どうか、わたしの代わりに献花をしてください。」遠い異国の地である日本で起きた凄惨な事件を
心から悲しんだ やさしきセンターバック、リオ・ファーディナンド。
彼の行動は、ピッチの外でも強い輝きを放っていた。
→〈心温まるエピソード01〉やさしき戦士ファン・ニステルローイ
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