フランスには日本の新幹線に相当する高速鉄道のネットワークがあります。
その名はTGV(Train a Grande Vitesse)といいます。
TGVは日本における新幹線の成功に刺激され、
フランスが独自に開発した高速鉄道です。
まず、TGV専用線の建設を必要最小限に抑えていることです。
日本の新幹線の場合、車両や駅などすべてが専用になっています。
しかしTGVは在来線と同じ軌間を採用しているため、
ターミナル駅の設備は従来のものをそのまま使用しています。
またTGV専用線と在来線を直通する列車が多数設定されていて、
かなりの田舎町でもTGVが発着するようになっているのに特徴があります。
TGV専用線は当初、時速270kmでの走行からスタートしましたが、
現在は時速300kmから320kmで走っています。
フランスの場合、日本と違って都市と都市の間はほとんど住宅がないため、
全線立体交差にはなっているものの、高架は少ないです。
車両(写真左)は前後に専用電気機関車をつけた編成になっていて、
ほぼすべての客車にモーターを持つ日本の新幹線とは全く異なっています。
ただ車両の大きさの規格は在来線と同じであるため、
車内(写真中)は日本の新幹線よりも狭くなっています。
TGVのサービスは1981年にパリからリヨンを結ぶ南北の路線からスタートしました。
この時から既に在来線への直通がおこなわれていて、
サンテチエンヌやブザンソンへの運行も始まっています。
その後、パリから西に向かったルマンやレンヌ、
トゥール、ナント方面への運行が始まり、
ユーロスターの運行に合わせてパリから北部の方面へも走り始めました。
さらに最近では東のストラスブール方面への運行も始まり、
一部の列車は国境を超えてベルギー、ドイツ、スイス、
イタリア、ルクセンブルクへも直通しています。
ちなみにベルギー経由でドイツやオランダを結ぶタリス(Thalys)や
チャネルトンネル経由でイギリスからフランス・ベルギーを結ぶ
ユーロスターも基本的にTGVと同じシステムを使用しています。
なお、TGVは全車指定席です。
必ず事前に座席予約した乗車券(写真右)を購入してから乗車してください。
予約なしの乗車は罰金を徴収されますのでご注意ください。
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