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鋼の錬金術師 (27)(荒川弘)

◇評価 20ポイント
◇閲覧回数 7,459
◇登録日
2011年12月5日
くまくま
くまくま
道場主

Lv.12

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エピローグが見せる作品のエッセンス

 いやあ、すごく良いラストだった。誘惑に負けてアニメの最後の方の回だけ見てしまったので、コミックスもそれをなぞる形になるのかなと思っていて、あまり期待をしていなかった分、それを良い意味で裏切られたので、感慨はひとしお。確かに、アニメのストーリーをなぞった部分もたくさんあるのだけれど、コミックスにはそこを越えているところがあった。
 偶然の産物なのか意図したものなのかは分からないが、このコミックスのエピローグは3部構成になっている。そしてこのストーリーが、まさに鋼の錬金術師という作品のエッセンスを凝縮したものであるといって良いと思う。

 生物として活動を行うにはエネルギーが必要だ。そのエネルギーは、別の生物を食べることで体内に取り込まれる。他の命を奪わない限り、生き続けることはできない。そして、奪ったからにはそれを無駄にしてはならない。賢者の石の顛末には、このような思想が通底していると感じた。
 更に人間的な特性として、歴史を紡ぐという点があると思う。この歴史は紙に書かれた記録、という意味ではなく、世代間で積み重ねられていく情報や経験のことを指している。人間が生物である限りいつかは死ぬ。だが、その人の生きた証は何らかの形となって受け継がれていく。それが進歩というものだろう。仲間の犠牲は無駄にはならない。
 無機物だって壊れたら終わりというわけではない。道具は大切に修繕しながら使い、壊れたら鋳潰して再生させる。そう、再生させるのだ。再生したものは新たな歴史の流れに組み込まれ、新しい物語を紡ぐ。この世界にはそういった循環があるのだ。

 この1巻だけを読んでも、ボクが感じた面白さを感じることはできないと思う。ここまでのストーリーの積み重ねがあるし、作者の荒川弘氏の実家の家業が酪農であると知っていることも関係しているかもしれない。
 ひとつの作品にも、それなりの歴史がある。次回作もそういった歴史が積み重ねられるものになることを祈りたい。


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