ゴールデンウィークが終わった2008年5月7日、
名古屋港イタリア村が自己破産を申し立て、経営破たんしました。
さらに親会社であるセラヴィリゾートも会社更生法の適用を申請し、
事実上の倒産に追い込まれました。
イタリア村はイタリアの雰囲気を味わえる貴重な場所だっただけに、
非常に残念なニュースです。
Seaviewは一度もイタリア村には行ったことがありません。
オープンがちょうど愛・地球博の時期だったのですが、
その頃はイギリスに住んでいた時期で、
人気が出ていたこともあまりよく知らない状態でした。
その一方でイタリア人も雇い、土産物もイタリア直輸入のものも多く、
本物のイタリアを見せる努力をしていたことは知っていました。
しかし観光学の観点から見れば、見通しが甘かったのでは、
と思わざるを得ません。
持続的に集客をするには、常に何か新しいものを提供していかないと、
リピーターを集めることは難しいからです。
イタリア村はイベントはやっていたようですが、
新しいアトラクションの追加などを毎年のように行わなければ、
集客力が落ちるであろうとSeaviewは感じていました。
そしてそれが現実のものになってしまったのです。
セラヴィリゾートはかつては泉郷(いずみごう)の名前で知られ、
別荘地開発で成長してきた会社もグループ内に持っています。
そんな中、多角化の一環としてイタリア村という
集客施設を造っていたわけですが、上手くいきませんでした。
日本ではこういった集客施設をつくることを
専門に研究する事例が少ないのが実情です。
海外では観光学の一環として研究や教育が進められ、
そういった教育を受けた人が観光施設の経営にあたって成功を収めています。
でも、日本ではこの分野の教育の必要性さえ求められていません。
非常に残念なことです。
せっかくイタリア人を雇用してやってきた施設です。
建築上の法令違反などクリアしなくてはならない問題は多く存在しますが、
本物のヨーロッパを見せようとする努力は評価されるべきです。
この困難を乗り越えて再生することを望むと共に、
ヨーロッパから観光学の教育を受けた人材を迎えて、
より戦略的な経営で立ち直ることを強く期待します。