Seaviewは現在、中国の広州に滞在しています。
名古屋からは中国南方航空が上海経由で毎日飛んでいます。
ここにはイギリス留学時に共に学んだ中国人の仲間が帰国して住んでいて、
今回も4人と会ってきました。
2006年9月の初訪問以来、これで5回目の訪問になります。
広州は実は歴史的にヨーロッパとの関係が深い街です。
当時の清はアヘン戦争で破れ、香港をイギリスに占領され、
(注:香港に近いマカオもポルトガルの植民地だったが、これは占領されたわけではなく
清が好意的にポルトガルの統治を認めた場所である)
広州も一部地域をフランスとイギリスに割譲することを強いられました。
この割譲された地域は「沙面」(シャミアン)という地名になっています。
この沙面は、珠江(しゅこう)という川の中洲にあり、
島のようになっている場所に多くの洋館が立ち並んでいます。
雰囲気的には長崎の出島のようなイメージです。
その雰囲気はまるで昔のヨーロッパの植民地の雰囲気を持った
コロニアルな街並みが見られます。
市当局も歴史的街並みとして保護していて、景観保存に力を入れています。
現在、洋館はホテルやユースホステル、カフェなどに改装されており、
また英語の看板を出す土産物屋も見られます。
このようないきさつがあるため、広州は中国にありながら、
世界に開かれた街として発展してきました。
それを証明する一大イベントが、
毎年4月と10月に行われる広州交易会(カントンフェア)であり、
これはなんと50年以上の歴史を持っています。
この広州交易会は中国からの輸出商品の見本市で、
数え切れないほどの商談が外国企業と行われ、
広州のみならず中国全体の経済に大きな影響を与えています。
中国は何かとお騒がせな国ではありますが、その中にあって
広州は世界経済の中で決して無視できない存在になっています。
ヨーロッパが世界の中でどのような役割を果たしてきたか、
そして植民地政策の功罪はなんだったのか、ということを
考えさせられる場所が、この広州であると言えましょう。
香港とはまた違った意味で訪問する価値のある都市でもあります。
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