イギリスで鉄道や地下鉄を利用したとき、
乗客のマナーの悪さにビックリされた方も多いと思います。
それもそのはず、向かい合わせのボックスシートでは、
靴をはいたまま足を向かいの座席に乗せていたり、
ゴミを平気で散らかしたり(写真右)するのはしょっちゅうだからです。
足を投げ出すことについては、何も車内だけでのことではありません。
イギリスの大学の講義でも、前の座席に足を投げ出す学生は
少なからず存在しており、指導教官も黙認しているありさまです。
また、車内の女性の化粧はしょっちゅう見かけますし、
iPodやウォークマンなどを平気で音漏れさせながら音楽を聞いていたり、
ひどい場合はわざわざ外部スピーカーをつけて
堂々と車内で音楽を鳴らす若者さえいるのです。
しかし、さすがのイギリス人もこの状況を
放置しておくことはできなくなってきたようです。
それを示すように、英国鉄道各社では
「足を投げ出さないように」とか、
「スピーカーでの音楽は鳴らさないように」などの
注意文を車内に掲示するようになってきました。
そして過去ネタでも書きましたが、ロンドン交通局(TfL)は
車内での飲酒を禁止するルールを持っています。
これは単に飲むだけでなく、開栓することも違反とされます。
さらにロンドン交通局はマナー向上のための
特設のウェブサイトを開設しました。
その名も「Together for London」(写真)です。
Transport for London(TfL)に引っかけた名前ですが、
ここではサイト訪問者から何がマナー違反なのか、
そして気分よく地下鉄・バスなどを利用するための
アイデア募集など、読者参加型の内容となっています。
http://www.togetherforlondon.org/
これはどちらかというと子供に対する
教育の側面を持っているように見えますが、
実際にマナーを守らないのは大人なので、
自ら手本になるべく、意識向上を図ることを
目指しているように思えます。
なんでもやりっぱなしだったイギリスも、
少しずつ変わろうとしてきています。
それは2012年のロンドンオリンピック開催も
少なからず影響しているのかもしれません。