2ヵ月半ぶりに世界遺産シリーズを再開いたします。
その本心は「ネタ切れ対策」と思ったあなた、ほぼ正解です(笑)!!
シングヴェトリル(Thingvellir)国立公園はアイスランドでは初めてで、
現在のところ唯一の世界遺産になっています。
指定されたのは2004年になってからで、
Seaviewは指定前の2000年にアイスランド人の友人の案内で訪ねました。
ここにはいくつかの見所があり、どれもが非常に興味深いものです。
まずはじめは、間欠泉。
日本にも別府温泉の竜巻地獄など、間欠泉はいくつか存在しますが、
シングヴェトリルには有名なものが2つあります。
ひとつはゲイシル(写真左)といい、古くから知られていた間欠泉です。
現在はほとんど活動していませんが、
このゲイシルの名前は英語で間欠泉を意味する
geyser(ガイザー)の語源になったという話もあります。
もっともゲイシルの横にはストロッコル(写真中)という別の間欠泉があり、
こちらはひんぱんに高温の温泉が吹き上げます。
次はギャウと呼ばれる地溝帯(写真右)。
地溝帯と言うのは、大陸プレートが地球の内部から出てくる場所です。
このような場所は通常は海底に存在するのですが、
シングヴェトリルの場合は地上でそれを見ることができます。
ユーラシアプレートと北アメリカプレートに挟まれて、
ちょうど真ん中の裂け目の部分が地溝帯にあたります。
その部分は柔らかい土となっていて、草が生えている程度です。
このような自然現象から、アイスランド人にとって
シングヴェトリルは神聖な場所という認識になっています。
さらに、ここは世界最初の議会にあたる「アルシング」が、
西暦930年から開かれていた場所でもあるのです。
民主主義の源流はこの場所にあると考えることもできます。
実はこれが世界遺産への大きな登録理由となっているのです!
従って、シングヴェトリル国立公園は意外なことに世界自然遺産ではなく、
世界文化遺産への登録となっています。
自然に対する畏敬の念は、日本と共通する部分です。
機会があれば、是非とも訪れたい場所です。
コメントはまだありません。