みなさんはテルフォード(Telford)という都市名を聞いたことがありますか?
イギリスの中央部・ミッドランド(The Midlands)地方にあります。
イギリス第2の都市・バーミンガム(Birmingham)から
列車で1時間足らずで行ける距離にあります。
まずイギリスの世界遺産に興味がある人は、
テルフォードは聞いたことがある名前かもしれません。
実はこの街の郊外には、産業遺産として初めて世界文化遺産に指定された
「アイアンブリッジ渓谷」(写真右)が存在しているのです!
詳細については世界遺産シリーズのネタとして改めてご紹介する予定ですが、
この場所は鉱物資源と水運に恵まれており、
産業革命の初期の産業遺産が数多く残されているのです。
そして、日本の技術系ビジネスマンでイギリス出張の経験がある人も
テルフォードの地名を思い出すかもしれません。
産業革命から200年以上もたった現在も工業は盛んなのですが、
近年造成された工業団地に日本の企業が多く進出しているのです!
この中で一番知名度が高いのは、リコー(Ricoh)です。
イギリスではコピー機、特に複合機のシェアが非常に高く、
身近な存在として親しまれています。
それだけでなく、日本的経営手法を上手にイギリスに浸透させ、
テルフォード工場での生産でも日本と変わらない
高品質な製品生産を行い、イギリス国内で高く評価されています。
前回のネタでご紹介した名古屋の企業ホシザキ電機も、
テルフォードに工場を持っていて、製氷機などを生産しています。
ヨーロッパで高いシェアを持っている理由は、
実は現地生産ということもあるようです。
愛知県安城市に本社を持ち、電動工具で世界的に有名な
マキタもこのテルフォードに生産工場を持っています。
この他にテルフォードに進出している日系企業には、
エプソン、富士通、デンソーなどがあり、
その関係で日本人も多く住む地域になっています。
世界遺産を見物するついでに、日系企業ががんばっている姿を
見てまわるのも興味深いことといえましょう。
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