フランスに限らずヨーロッパ全体にいえるのですが、
鉄道といえば、かつては客車列車が全盛でした。
そして車両には日本のような客室に座席が並ぶタイプのものと、
コンパートメントと呼ばれる個室タイプのものがあります。
2008年2月のフランス訪問では、パリ・サンラザールから
シェルブールまでコレイユ・アンテルシテ(Corail Intercite)と
呼ばれる特急列車に乗りました。
この列車は客車を機関車が牽引するタイプです。
1等車と2等車の両方が連結され、
2等車にもコンパートメント車がありました。
Seaviewは事前の予約でコンパートメント車の座席を確保したので、
ヨーロッパ大陸の列車としては久しぶりに乗ることができました。
日本ではこのような個室は部屋単位で発売することが一般的ですが、
ヨーロッパでは他の乗客と混乗する形になります。
今回はフランス人で1人旅の20代くらいの男性と女性と同室になりました。
個室の場合、部屋単位で空調を調節することができます。
また、入り口の扉はガラス張りですが、カーテンを閉めることもできます。
荷物は座席の上の棚に載せますが、これは座席の真上に平行して設置されているので、
進行方向から見れば直角ということになります。
このように旅情あふれるコンパートメント車ですが、
フランスでは新幹線に相当するTGV(Train a Grand Vitesse)の
ネットワークが広がり、客車列車は減少傾向にあります。
TGVには編成の端にキヨスクと言われる大きめの個室があるほかは
すべてが座席が並ぶ一般の客室になっているので、
本格的なコンパートメント車は存在しません。
ヨーロッパの鉄道も時代と共に変わりつつあることを感じさせられました。