ロンドンの街の風景に欠かせないのが、
赤いダブルデッカーのロンドンバス(
過去ネタ参照)と
ブラックキャブと呼ばれる黒いロンドンタクシーです。
ロンドンのタクシーは基本的にすべてこのロンドンタクシーを使っています。
地方都市では一般の乗用車もタクシーとして走っていますが、
ロンドンタクシーもその中に混じって活躍しています。
このロンドンタクシーはLTI社が製造しています。
LTIはLondon Taxi Internationalを省略したものです。
前身の会社であるカーボディーズ社は1919年の創業です。
当時はコーチビルダー(バスの車体会社)としてスタートしていて、
日本の西日本車体工業やイギリスのOptare社、East Lancs社などと
同じような会社でした。(
過去ネタ参照)
1948年、当時のオースチン社(後のローバー社:旧型のミニの製造元)との
共同開発でロンドンタクシー「ブラックキャブ」は生まれました。
正式にはこのときのモデル名はFX3といいます。
このタクシーはオースチンのブランド名で発売されていました。
その後、幾多の変遷を経て、1982年にオースチンの後身である
ブリティッシュレイランド社からロンドンタクシーの知的財産権を獲得、
1984年にLTI社となって自主開発をするようになりました。
もっとも、前身がボディメーカーだった関係で、
現在もエンジンは他社から購入して搭載しています。
その中には日本のメーカーも実績があり、
1989年モデルから1994年モデルまでは
日産製のディーゼルエンジンを搭載していました。
Seaviewもこのモデルにボーンマスで乗ったことがあり、
運転主が「日産製のエンジンは快調だ」と言っていたのを覚えています。
しかしモデルは変わっても車体の基本設計やデザインは、
1997年のTXIの登場まで変化はありませんでした。
(写真はFX3と同じデザインのモデル)
また、モデルが変わるごとに搭載エンジンも変わっています。
このため外観は同じでもメカニズムが異なることも多いようです。
【後編】に続きます。