ヨーロッパではなぜか、20の数字が付いたお札が一般的です。
このため、欧州通貨のユーロは20ユーロ札がポピュラーで、
その次は5ユーロ札がよく使われます。
なぜか、10ユーロ札はそれほど使われていません。
それどころか、ユーロが導入された当初も、
欧州中央銀行は20ユーロ札と50ユーロ札を
重点的に供給していたのだそうです。
ユーロを導入していないイギリスも、
20ポンド札が広く使われています。
こちらでは10ポンド札も多く流通していますが、
50ポンド札を市中で目にするのはまれです。
20ユーロは日本円で約3200円、
20ポンドは同じく約4800円になります。(2007年10月現在)
なぜこういうことが起こるのでしょう。
実は、ヨーロッパでは昔から個人でも小切手を切る人が多く、
現金の流通は比較的少なめだったことが理由のようです。
その影響か、現在はキャッシュカードで買い物ができる
デビットカードが広く普及しています。
デビットカードは預金残高以上には使えないので、
クレジットカードに比べ、使いすぎの心配もありません。
ただ、小額の決済ではどうしても現金が必要になるので、
20ユーロや20ポンドがよく使われるわけです。
1万円札が広く出回っている日本とは、だいぶ様子が違います。
仮にイギリス国内で50ポンドをATMで預金から下ろしたとしましょう。
たいていの場合、20ポンド札2枚+10ポンド札1枚で出てきます。
50ポンド札で出てくることは99%ありません。
また、イギリス人は多額の現金を持ち歩かないようです。
せいぜい多くても50ポンド程度なのです。
このような状況があるので、不用意に多額の現金を
持ち歩くのは絶対にやめましょう。
クレジットカード払いを基本とし、現金が必要ならば、
トラベラーズチェックを少しずつ換金して使いましょう。
なお、トラベラーズチェックがその国の現地通貨建てなら、
換金せずにそのまま使える場合も多くあります。