日本人にも人気の高いイギリスの陶磁器ブランドに
ウェッジウッド(Wedgwood)があります。
このウェッジウッドやロイヤルドルトンなどのブランドを持つ
Waterford Wedgwood PLCは、悲しいことに2009年の正月早々、
創業250年目にして経営破たんをしてしまったのです。
このニュースは日本でも大きく報道されましたが、
大型倒産の続くイギリスでもショックは大きかったようです。
特に本社工場があるストーク・オン・トレント(Stoke-on-Trent)では
地元経済に大きな衝撃を与える結果となってしまいました。
この街にはサッカーのイングランド・プレミアリーグ所属の
ストーク・シティが存在するので、サッカーファンにとっても
聞き覚えがある場所かもしれません。
普段はサッカーネタが多いストーク・オン・トレントの
地元紙The Sentinelは、地元の象徴が消えることに対する危機感で
連日その状況を刻々と詳細に伝え続けています。
その一方、ウェッジウッドの存在価値はもはやなくなった、
とする論調もあるのも事実です。
イギリスの高級紙タイムズ電子版(Times Online)は、
「創業者ジョシア・ウェッジウッドの発明も
IKEA世代には過去の伝説のひとつにすぎない」
という過激なタイトルをつけて特集記事を出しています。
ウェッジウッドは工場を公開しており、
産業観光の面でも先駆者的存在でした。
日本人観光客も観光バスを数台連ねてツアーで
訪れるような観光名所であったほどです。
一部報道ではアメリカのファンドが買収話を持ちかけているようですが、
IKEAの安さに対抗できるのか、前途は明るいとは言えません。
金融バブルがはじけてその後遺症に苦しむイギリスでは、
富裕層が減っているのではないかとも思えてきます。
このあたりについては、1月終わりから2月上旬にかけて
イギリスとフランスに出かけますので、
その際に詳細に調べてみようと思っています。