昔はロンドン市内のあちこちで、通りにゴミ箱が置いてありました。
結構短い距離で置かれていて、地区ごとに異なるデザインになっています。
そして「このゴミ箱を散らかしたり倒したりすれば罰金20ポンド」
という脅し文句に近い警告文が書いてあったのでした。
さすがバッキンガム宮殿のある首都です。(座布団全部没収!?)
ところが、イギリス国内でイスラム過激派がテロを企てる事件が相次いだため、
ロンドンでは爆弾をしかけられそうな要因をすべて取り除いてしまいました。
その一環としてゴミ箱の撤去を決定し、街中から姿を消してしまったのです。
しかし、このことは新たな弊害を生み出しました。
イギリス人はもともとゴミを家に持ち帰る習慣はなく、
あちこちに平気で散らかしていきます。
このため、ゴミ箱がなくなってしまった後でも、
特定の場所にゴミがたまっていたり、
道路全体でゴミが多くなるなど、街の美観を損ねる結果となりました。
さすがのロンドン市当局も放置できなかったようです。
ロンドンへは今年2月以来の訪問になりますが、
市内のあちこちにゴミ箱が復活しているのに気が付きました。
ゴミの問題は新たな局面に入っています。
過去ネタでも紹介した、路上で配布される無料紙(新聞)が、
新たなゴミとして問題になってきているのです。
この件に関しては出版元も対策をとっており、
配布人が捨てられた自社発行の新聞や他のゴミを
拾う活動も行っているようです。
ロンドンの街はこうして大きく変わりつつあります。
一時期ゴミだらけの印象があったこの街も、
かつての雰囲気を取り戻しつつあるように思えました。