ヨーロッパへの渡航を計画される方が、
一番心配されることが、治安の問題です。
多くの人が日本語以外の言葉を流暢に話せないことから、
いろんな不安を持つことになるようです。
これは日本との対比で考えると
分かりやすくなると思うので、
Seaviewが実際にイギリスに住んだ経験と、
数多くの渡航経験、そして現地住民の声も含めて、
まとめてみたいと思います。
ヨーロッパでよく話題になるのが、失業率の高さです。
日本は不景気の状態でも、失業率は10%未満の状態です。
しかし、ヨーロッパでは失業率が10%を超える国はたくさんあるのです。
その一方で金融関係を中心に、高収入の仕事も少なくありません。
日本円に換算して年収1000万円を超える求人広告は、
経済誌(The Economistなど)や高級紙(The Independentなど)にも
たくさん掲載されていたのを、留学中に見たことがあります。
ここで分かるのは「格差」が想像以上に大きいということです。
例えば、高級なホテルと安いホテルの差は歴然としているのが実情です。
さらに、設備が整っているものの部屋を狭くすることによって
宿泊料金を安くした日本の「ビジネスホテル」というものは
ヨーロッパには存在しないのです。
このため、一流企業の社員が通常使うホテルは、
日本人から見れば高級なホテルに泊まるケースが多いのです。
格差が大きくなると、お金を持たない人は
それなりに行動しなくては生きていけません。
就職活動を一生懸命しても就職口が見つからない人は、
スリなどの犯罪に手を染めていくことになるのです。
こういったことの連鎖が、治安の悪化につながります。
例えばフランスでは、スリの被害に遭った時、
警察は被害証明書は書いてくれるものの、
基本的に犯人探しはしません。
これは、あまりにもスリをする人が多すぎることと、
罪が軽いことも理由にあるようです。
その結果、ヨーロッパの人たちは治安が悪くなった場合、
徹底的に自衛して対抗することになるのです。
現金をあまり持たなかったり(小切手社会・カード社会)、
アパートに入るのに暗証番号が必要だったりするのです。
逆に言えば、日本は格差が少なかったために、
良好な治安を保てたということもできるのです。
ですから「自分の身は自分で守る」ということを、
特にヨーロッパ滞在中には気をつけて欲しいものです。