2008年5月31日をもって、日本に2軒だけあった
ル・メリディアンホテルが消滅しました。
品川にあったル・メリディアンホテルパシフィック
(→ホテルパシフィック:写真左)と、
お台場にあったホテルグランパシフィックメリディアン
(→ホテルグランパシフィック LE DAIBA)は、
ホテルを運営していた京急ホテルが契約更新をせず、
グループから離脱したのです。
理由は定かではありませんが、
実はル・メリディアンは一貫したブランド名なのに、
グループを運営していた企業が、
時代の流れともに替わっていたことが関係しているようです。
ル・メリディアン(Le Meridien)は、
フランス語名を持つことで分かるように、
エールフランスのホテル部門として生まれました。
パリ(写真右)に2軒オープンした後、
高級ホテルチェーンとして世界展開を図り、
その段階で日本にも進出しました。
その後、エールフランスはル・メリディアンを手放し、
イギリスのフォルテホテルズの一部となりました。
しかしフォルテホテルズはブランド名をそのまま残した上に、
大半の「フォルテグランド」ブランドを
ル・メリディアンに変更するという戦略をとりました。
イギリス資本になった後も、フランスらしさを強調した
マーケティングを進めていったのです。
しかし、フォルテホテルズ自体が買収されたことで、
再び売却の対象になってしまいます。
ル・メリディアンは日本の野村證券系列の
野村プリンシパルが買収し運営を引き継ぎました。
この時点で日本航空系のニッコーホテルズインターナショナルとの
提携関係が生まれ、相互に送客する体制をとって成果を挙げました。
(現在は提携を解消)
その後、野村プリンシパルはル・メリディアンのうち、
フォルテグランドからリブランドしたホテルについては
イギリス国内を中心に個別に売却していきました。
その結果、ル・メリディアンはかつてのフランス時代の
イメージを取り戻すこととなりました。
そして、ル・メリディアンはアメリカ資本のスターウッドに買収され、
シェラトン、ウェスティンなどとともに、そのブランドのひとつとなったのです。
フランス、イギリス、日本、アメリカと
世界を一周する形で経営権が移ったル・メリディアン。
それでも今なお、フランス生まれの個性を保ちながら、
世界のホテル界に君臨し続けています。
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