何かにつけて話題満載だった北京オリンピックも、
とりあえず無事に終了しました。
閉会式は次回の開催地の紹介をするのが通例になっていますが、
例に漏れずロンドンの紹介も行われました。
出てきたのは真っ赤なダブルデッカーです。
ただ、よく見ると実際に使われている本物のロンドンバスとは
微妙に違うのが一目見て分かりました。
現在ロンドンバスは分割民営化されているため、
バスの色は基本的に赤であるものの、
デザインは会社ごとに微妙に異なります。
で、肝心のバスですが、Seaviewの経験から車種を特定しました。
East Lancs Myllenium(イーストランクス社製ミレニアムシリーズ)
のダブルデッカー仕様であることが分かりました。
このバスはオプションで2階席の屋根が着脱可能なものもあり、
ユニークなモデルとして知られています。
このバスはイギリスのボーンマスでは比較的よく見かける種類で、
これまで同じメーカーを採用することがなかった
トランスデフ・イエローバス(写真左:オープントップにはできない通常モデル)と
ウィルツアンドドーセットバス(写真中:屋根取付時、写真右:オープントップ時)の
両社が採用したことで、現地のバスマニアを驚かせた車種でもあります。
日本でもそうですが、バスの場合エンジンつきのシャーシーと
バスボディは別のメーカーが作ることが少なくありません。
例えば、西鉄系列の西日本車体工業は、国産バスメーカー4社
(三菱ふそう・日野・日産ディーゼル・いすゞ)のシャーシーに
自社製のボディを架装したことで知られています。
イギリスも同様のケースが多く、いくつかのボディメーカーが存在します。
今回、北京五輪閉会式に使用されたEast Lancs社は、
ボルボのシャーシーに架装する事例が少なくありませんでした。
しかし、East Lancs社は昨年、他の企業に買収され、
同業他社であるOptare社と事業統合されてしまいました。
現在はEast Lancsの名前での生産は行われておらず、
閉会式に登場したMylleniumモデルは既に生産終了となってしまいました。
こうしてみると、消えたブランドに対して、
オリンピックの場で最後の花を持たせた感があります。
たかが1台のバスにも、イギリスの歴史が刻まれていることを
改めて感じさせる演出となりました。
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