私たち人類の暮らしは、ありとあらゆる分野でさまざまな生態系すなわち生物多様性の恵みに支えられています。私たちが生態系から受けるこのような恵み(生態系サービス)は、大きく4つにわけることができます。
■供給サービス
食料、燃料、繊維、薬品、水など、人間の生活に重要な資源を供給するサービスです。人類は動植物を食べたり、加工することで生活しています。また、生きものの形状や機能を利用して、新たな技術や薬品などを開発してきました。まだ発見、理解されていないくても、人類の存続に有益なものがみつかる可能性があります。
カワセミのくちばしをまねて開発された新幹線N500系
■調整サービス
森林や河川、海などがあることで気候の変化が緩和されたり、洪水が起こりにくくなったり、水が浄化されるなど、環境を制御するサービスです。健全な自然の生態系では、多様な生物が存在していることでバランスが保たれ、一種が爆発的に増加すること難しいことから、病気や害虫のコントールにもつながっています。
■文化的サービス
精神的充足、文化・宗教・社会制度の基盤、レクリエーションの機会の提供などのサービスです。長い歴史の中で育まれてきた伝統や文化、風習はその地域の自然環境の特徴に大きく影響を受けています。郷土料理や特産品などがその地域でとれる動植物を生かしているように、私たちは地域の自然と共存し得てきた知恵と伝統から個性豊かな「食文化」や「風土」を形成してきたのです。
■基盤的サービス
供給サービス、調整サービス、文化的サービスの供給を支える基盤のことです。全ての生命を支える光合成による酸素の生成や、土壌、水などの生息環境を形成する機能によって私たちの生命を支えてくれます。
生きものの恵みに支えれて
生物多様性の恵みがなければ一日たりとも私たちは生きていくことができません。
生物多様性が増えることは、私たちが利用できる生態系サービスの種類を増やすことにもつながるのです。
COP10情報発信ステーションinオアシス21より
コメントはまだありません。