2011年シーズンより新たにレギュレーションにより許されたシステムのひとつ、それが”DRS”です。DRSとは"Drag Reduction System"の略。直訳すると、ダウンフォース低減システムとでもいいましょうか。
具体的にどのようなシステムかというと、リアウィングを寝かすことにより空気抵抗を減らす、よってストレートスピードを上げる効果をもたらすシステムです。そもそもF1マシンは、コーナーを曲がる際により速いスピードを保ちつつ曲がるために、車を下に押し付けてタイヤをグリップさせなければなりません。また加速をする際にも、とても大きなエンジンパワーをタイヤに伝えてあげないと効率良く前に進んでいきません。そこで「ダウンフォース」という車を地面に押し付ける力をウイングや、フロア、ディフューザーなどといった空力パーツで発生させています。しかし、このダウンフォースは言ってみれば「空気抵抗」。コーナーでは速いのですが、その反面ストレートスピードが伸びなくなってしまうというデメリットもあります。
そこで今年のFIAはこれを逆手にとって、リアウィングのフラップのみ動かせるようにして、ストレートスピードを上げ、後ろからのオーバーテイクを可能にしようと考えました。もちろん前方の車も同じことをすればオーバーテイクは困難になっていまうので、決勝レース中は制限をかけ「計測地点で前車と1秒以内の場合、DRS使用可能範囲の中でのみ」使用ができるようになっています。
2009年にはフロントウィングの可変化で試されたことはありますが、それほどの効果は無く利用されなくなってしまいました。KERSに一緒に2年ぶりの復活組ですね。
詳しいレギュレーションは下のとおり。
・フリープラクティスと予選ではいつでも使用可能。
・レースではスタート後、2周終了後以降もしくはセーフティカー走行中に使用可。
・計測地点にて先行車から1秒以内にある場合、使用可能な状況であることがドライバーに対して表示され、あらかじめ決められた使用可能なセクション内でのみ使用が可能。
このシステムにより、よりエキサイティングなバトルが繰り広げられることを期待します。
■レッドブルのKERS&DRS解説動画
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