今回FIAが合法と認めた「ダブルディフューザー」ですが、
実際、何が問題となっていたのでしょうか。
2009年のレギュレーションでは、リアディフューザーが上限175mmを定められています。
しかしマシン中央部については、後部衝撃吸収構造まわりのボディワークに関してレギュレーションであいまいなため、この部分(幅100mm×高さ130mm)をディフューザーとしてみなさないと解釈してディフューザーを設計したチームが3チームありました。
それがブラウンGP、トヨタ、ウィリアムズ。
ディフューザーの中央部に窓となる穴を開けて2層構造なっている構造を作ってきたのです。(ウィリアムズは詳細に見ると3層構造になっています)
これにより、より多くの空気を拡散させることができ、ボディ底面を流れる空気のを速め、圧力の差により強いダウンフォースが生まれます。
トヨタはプラス後部衝撃吸収構造にフェンスを設けて、より多くの効果を求めようとしています。
この動画でイメージがつかめると思います。
合法とは認められたものの、この機構を採用しようと考えると、開発に莫大なコストがかかります。
なぜなら、ディフューザーだけを変更しても効果が得られにくく、その効果を最大限引き出そうとするならばマシン全体に及ぶからです。
フェラーリはこのディフューザー開発に約26億円を投資しているともいわれ、
コスト削減を謳っているFIAの方針とは逆を行っています。
コストがかけられないチームもありますし、レッドブルなどプルロッドサスを採用しているチームは開発を困難にしています。
しばらくは先行している3チームの優位は変わらないと思います。
ただ、レッドブルは中国GPで結果を出しているので、ニューウェイがRB5を新ディフューザー対応に進化させてきた時、手がつけられない「ベッテル・ショー」の幕開けになるかもしれません。
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