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ベッテルの圧倒的速さが光った開幕戦オーストラリアGPですが、予選の時からレッドブルのKERS表示が変わらなかったことはご存知でしょうか。実はレッドブルはオーストラリアGPではKERSを搭載していなかったのです。KERSを搭載しないことでのメリットは２つ。「重量バランス」と「信頼性向上」です。KERSは改良されたとはいえ重量的にはまだ重たいもの。しかしバラストと比べれば密度が低いため、どうしても中心に置いたとしても、重心が高くなってしまいます。重量バランスが変ってしまうとマシンの挙動に大きな影響が出ます。また、KERSは複雑なシステムものですから、どうしても壊れる可能性はあります。チーム・オーナーのクリスチャン・ホーナーによれば、金曜日の段階で「信頼性に問題があった」ため外したといいますが、アルバートパークの第１コーナーまでの距離が短く、ストレートも比較的短いことが、そのことを問題としなかったのでしょう。また、決勝ではスタート時にKERSが有効とされるため、小型KERSが搭載されるのではという憶測も飛びましたが、結局それもありませんでした。

ただ、次戦マレーシアGPは、直線が長くオーバーテイクが多く見られるサーキットです。KERSのパワーがないとどんどんオーバーテイクを見せつけられてしまうでしょう。それは2009年のフェラーリ、マクラーレン、ルノーの戦い方を思い起こせば容易なこと。さすがにクリスチャン・ホーナーも搭載することを宣言しています。

次戦マレーシアは気候と共に、サーキットの特徴が大きく変わるGPです。それぞれのチームがどのようなセッティングをしてくるのか注目しましょう。