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ロータス・ルノーGPと名称問題で揺れている「チーム・ロータス」。
「ロータス・レーシング」から「チーム・ロータス」に名称替えしたが、その背景には「グループ・ロータス」の親会社であるプロトンからロータスの名称の使用停止があった(その裏は色々とあるのだが、ここでは割愛)。
そこで「チーム・ロータス」の名称権を買い、チーム名を変更したというわけ。かくしてロータスという名前とルノー・エンジンをもつ「ロータス・ルノーGP」、「チーム・ロータス」の2つのチームがエントリーされるという異常事態となった。
ジャーナリスト各位も述べるとおり、なんで「ロータス」の名称にこだわるのか?という疑問がある。ボクの想像するには、スポンサー集めやロータスというブランド力、チームの士気を高めるため、などなどあるが、いずれも自己中心的理由に他ならない。
建前上、「過去のロータスに敬意を払って・・・」などと述べているが、本当に敬意を払っているのなら、恐れ多くて名称を使えるはずもないと思う。
日本人的メンタルティで話をすると、彼ら2チームの行動は「過去への冒涜」に他ならない。もっと言うなら「恥知らず」か?ロータスという過去の遺産に群がるハイエナか禿鷹のようにも見える。両社の名称問題に関して、パワーバランス的にどちらが有利という話もあるが、どちらも名乗らないでほしいと思っている。
閑話休題。
そういった商業的な判断はお偉方に任せるとして、チーム・ロータスの2010年は、結構手堅い立ち回りを見せていたと思う。2010年型マシンT127は、エントリー決定から半年余りで製作されたマシン。いかにも急ごしらえのうえに、コスワース・エンジン+Xトラック製ギアボックスという望んでもいないパワープラントを押し付けられる始末。
だが、彼らはT127の開発を早々に諦め、その開発資金を全て来年に注ぎ込んだ。
マシンはシーズンが進んでも一向に開発されず、Fダクトもブロウン・ディフューザーも装備しなかった。そのためテール・エンダーに沈むことはやむを得なかったが、よくドライバーも耐えていたと思う。
H.コヴァライネンとJ.トゥルーリの2人を「No.2なりの働き」と称する声もあるが、ボクはそうは思わない。トゥルーリはそう言われても仕方がないが、コヴァライネンの活躍は目覚ましかった。
時としてウィリアムズを食う場面も見せており、彼がチームにどれだけ勇気を与えたか計り知れない。
またチーフ・テクニカル・オフィサーであるM.ガスコインがチームと5年契約を結び、フォース・インディアからチーフ・デザイナーのL.バトラー、空力学責任者M.ヒンソンを引き抜いている。また、同チームのテクニカル・ディレクターであるM.スミスを引き抜くことを発表。以前ガスコインと組んでいただけに彼の移籍は時間の問題だろう。
着々と進むチーム体制だが、2011年マシンに対しても万全の足固めを施している。まずエンジンをコスワースからルノーへスイッチ。レッドブルからレッドブル製のギアボックスを供給されることとなった。プルロッド式リア・サスペンションも受け継ぐ形なったが、これがリアエンドの設計に大きな助けとなった。
また2011年マシンは「T128」とされている。当初はマシン名は「TL11」だったが、前年より継承する形で名付けられた。
ロータスはその製品全てにプロダクツ・ナンバーが振られている。それはレーシング・カーから自転車まで該当しており、2010年用マシンであるT127はプロトン傘下のグループ・ロータスが認めた製品としてプロダクツ・ナンバーが振られている(現在は認めているかどうか不明だが)。
またこのプロダクツ・ナンバーにはロータス設立者である故C.チャップマンの遺族も認めていたとされている。
だが、名称問題が深化するにつれチャップマン家もロータス・レーシングに対する態度を硬化。現在では彼らはロータス・ルノーGPを支持していると言われている。
そのような状況なので「T128」は、ロータスのプロダクツ・ナンバーとして認められていない。いずれグループ・ロータスも「T128」と称する製品を誕生させるだろうし、そこをつつかれてもチーム・ロータスは「設立者T.フェルナンデスから採用しました」と言い訳するに違いないだろう。
話は随分とそれてしまったが、T128とはどのようなマシンなのか?
まずT128はT127と比較して、空力的、エンジンを含むパワープラント、そしてタイヤも違う全く別の車ということ。T127からの引き継ぎはモスグリーン+山吹色ぐらいである(あとはドライバー2人か)。
全体的な印象はガスコインのマシンらしく、非常に手堅い。一方でサイドポンツーン上面の面積の大きさもガスコインらしさがでている。
元々NON KERSの設計のためリアエンドは細くすっきりしたデザイン。サイドポンツーンからリアエンドにかけてのローバックダウンはやや急激であるが、どちらかというと冒険をしているようには感じられない。
またサイドポンツーンの開口部はMGP W02と良く似ているが、両端は少し碇肩となっており、側面部に向かって緩やかなカーブを描いている。サイドポンツーン開口部下のえぐりは大きく取られている。このへんもトレンドを上手く採用している。
フロントノーズ若干スラングされ幅広となった。ただ今年のトレンドである薄型のダックノーズではなく、肉厚なところが古さを感じる。フロント開口部はやや正方形に変更。フロント・ウィングも曲面を重視。オリジナリティは薄いが、現代F1風な造りとなった。
インダクションポッドはMGP W01のセンターにブレードが入った形式を採用。これはドライバーの頭部から綺麗な空気を送り込むことと、リアに向かって整流を流す目的があると思われる。
手堅さの裏には、ガスコインが得意とする低重心設計があるものと思われる。また、ルノーやトヨタで見られたようなコンパクトなコーナリング・マシンの思想もあるのではなかろうか?
2月中旬のへレス・テストでは当面のライバルはトロ・ロッソ、ウィリアムズあたりと感じた。ペレス+ザウバーC30あたりを食えそうな勢いだが、NON KERSはあまりにもハンデであり、2009年のようにNON KERS組が上位にあがることはあり得ない状態だ。
当面の目標はポイントゲット。今季も来年に向けた準備期間という見方もあるだろう。
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