今回は観光学的な見地から、ネタを用意しました。
日本以上に航空行政が規制緩和されているヨーロッパでは、
格安航空会社が非常に多くなっています。
しかし、アリタリアなど大手航空会社でさえ破綻している現状で、
格安航空会社も多くが淘汰されているのが現状です。
最大の原因は燃料費の高騰です。
急激な石油価格の上昇は、航空会社の経営を直撃しており、
多くの航空会社が燃油サーチャージという形で、
上昇分を追加料金として徴収せざるを得ない状況になっています。
このような状況になると、安い運賃で勝負する
格安航空会社は非常に厳しい経営を強いられます。
9月12日、イギリスの航空会社である
エクセル航空(XL Airways)が破綻しました。
以前はExcel Airwaysと表記していたこの会社は、
どちらかというとツアー向けのフライトを飛ばしてきた会社です。
日本ではJALもANAも定期便にツアー客が大勢乗っていますが、
ヨーロッパではツアー客は、運賃の安いチャーター便で旅行するのが一般的です。
このため、チャーター便専門の航空会社が多く見られ、
エクセル航空もその1つでした。
エクセル航空はヨーロッパ域内だけでなく、
アメリカ方面や中東方面といった、中・長距離のフライトも飛ばしていました。
しかし、コストダウンのために長距離フライトは、
シートが狭く、しかも間隔を詰めて設置されていた上に、
飲み物もすべて有料での提供だったため、
スカイトラックスなどでは乗客の不満が多く聞かれました。
その結果、エクセル航空は燃油代と快適性の低さによる
不評のダブルパンチに見舞われた結果、
ついに破綻し運行停止に追い込まれてしまったのです。
BBC(電子版)によれば、なんと6万7千人のバカンス客が
滞在先で足止めをくらっている状況です。
個人でエクセル航空のチケットを持っている人は、
無効になってしまい、返金もありません。
このため現在、BA(ブリティッシュエアウェイズ)やライアンエアなどが、
救済のための特別割引運賃を用意して帰国できるように対応しています。
ツアー客についてはATOL(日本でいうJATAに相当する旅行業協会)の
供託金で弁済されますが、代替便の手配はすぐにはできず、
せっかくの楽しいバカンスも台無しになってしまっているようです。
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