イタリアはトスカーナ地方、シエナの聖ガルガーノ修道院に
「岩に突き刺さった聖剣」が実在する。
この「トスカーナのエクスカリバー」とも呼ばれる聖剣は、
伝承によれば1180年、ガルガーノ・グイドッティという騎士が、
剣を捨てて神に帰依しようとした時に、岩に突き立てたものであると
言われている。
また剣が突き立てられた場所はその後修道院が建ち、
現在では観光地として保護されているが、剣自体は当時のまま、
岩から柄の部分だけを残して、まるで十字架のような姿で突き立てられている。
「この剣は長年に渡って、後世の誰かが捏造した偽物であると言われ続けて
きました。しかし2001年に我々が行った調査によって事態は一変したんです。
剣の材質は現代の合金ではなく、本当に12世紀のものだった事が
明らかになったんです。」パピア大学の聖ガルガーノ・プロジェクト代表ルイジ・
ガラシェリ博士は語った。またその後地面のレーダー調査によって、
剣の下に長さ180cm、横90cm程の空洞がある事が明らかになった。
「空洞はおそらく、800年前にこの地に眠った聖ガルガーノの墓だと思います。」
ガラシェリ博士は語る。
伝説によれば、ガルガーノはある日、母の勧めで美しいフィアンセに会うように
説得された為、馬に乗ってその女性の元へと向かった。
しかしモンテ・シエペの丘(現在も剣が眠る場所)に差し掛かった時、
彼は突然馬から投げ出された。そして突然現れた大天使ミカエルのヴィジョンが
彼に剣を岩に突き刺すよう命じたのである。
しかし尊大なガルガーノは剣が岩に刺さるはずもないとして反発し、
剣が折れる事を承知で剣を岩に叩き付けた。
しかしその時、剣はまるでバターに刺さるように、岩の中に飲み込まれた
と伝えられている。そして神の力に畏怖した彼は剣を捨て、以後そのまま隠者と
なり、1181年に亡くなるまで、世を捨ててそこで暮らすこととなったと言われている。
コメントはまだありません。