世界に名だたる温泉大国に住む日本人は、
海外でも温泉があれば、やっぱり入りたくなるものです。
でも、ヨーロッパは温泉がどこにでもあるわけでもなく、
ある程度場所は限定されてきます。
日本人同様、几帳面な性格を持つドイツ人。
このドイツで日本に似ている部分のひとつに、この温泉が挙げられます。
ドイツの地名でバード・○○○とあれば、まず温泉地と考えてよいでしょう。
その際たるものが、ドイツ南西部の温泉都市・バーデンバーデン(Baden Baden)です。
シュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の中に存在するこの町は、
ヨーロッパの伝統を感じさせる街並みの中に、温泉が湧いているという印象です。
ヨーロッパでは基本的に温泉への入浴は水着を着ます。
そのため、野外で入る温泉も少なくなく、まるでプールに入る感覚です。
ところが、このバーデンバーデンには例外的に、裸で入る温泉が存在します。
その名は「フリードリッヒス・バード」(フリードリッヒ浴場)です。
このフリードリッヒ浴場は、単純にお湯に入るというものではありません。
建物の中を順路に従って、異なる温度や性質の温泉を決められた時間で入っていき、
途中でマッサージがあったり、最後にはタオルにくるまれて休憩できるなど、
健康管理を主な目的とした内容になっているのです。
特にドイツでは温泉は医療行為の一環としての目的もあり、
日本でいうところの湯治のイメージです。
このため、ドイツ人は1週間から1ヶ月単位で滞在するのが一般的です。
ドイツの他にも、ハンガリーにも温泉が多く見られる他、
ボスニア・ヘルツェゴヴィナにも温泉浴場が存在しています。
さらに火山国であるアイスランドにも温泉は多いのですが、
こちらはそのまま入浴する、というよりは地熱の有効活用の意味合いが強いようです。
アイスランドで有名な入浴施設「ブルーラグーン」は、
正確には天然温泉ではありませんが、隣にある地熱発電所の廃熱を利用し、
ミネラル分の多い海水に入浴する形になっています。
しかし、この海水は通常の温泉同様に効能があるため、
広義では温泉と呼んでも差し支えないと思われます。
もちろん、このブルーラグーンも水着を着ての入浴になります。
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