かつてのボスニア紛争の影響でボスニア・ヘルツェゴヴィナには
「ボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦」と「スルプスカ共和国」
が存在することは、以前の
ネタで紹介したとおりです。
Seaviewは2000年に日本の外務省が主催した国際会議に
8人の日本代表のうちの1人として出席しましたが、
スルプスカ代表のセルビア人男性と仲良くなろうとする際、
ある人物の存在をきっかけにしました。
ドラガン・ストイコビッチ。
セルビア共和国の出身なのでスルプスカ共和国ではありませんが、
同じ民族であるセルビア人です。
当時は名古屋グランパスの選手でありながらJリーグ全体で他の模範として大活躍し、
日本のサッカーのレベルアップに大きく貢献したのは周知の通りです。
そして現在は名古屋グランパスの監督として、
自らのチームだけでなく日本のサッカーの発展に尽くそうと努力しています。
ストイコビッチの存在は、セルビア人にとって絶大です。
Seaviewはスルプスカ共和国代表に初めて声をかけたとき、こう尋ねました。
「ドラガン・ストイコビッチを知っているか?」
突然のことできょとんとしていた彼は、しばらくして我に返った後、
「もちろん知ってるよ!」とうれしそうに答えたのを今でも覚えています。
そして、国際会議終了後に、国立競技場で行われた
名古屋グランパス対鹿島アントラーズのJリーグ開幕戦に誘いました。
もちろん彼はOKしたのですが、驚くべきことにイギリス代表とアルゼンチン代表も
「ストイコビッチが出るなら俺も見に行く」と観戦に同行したのです!
そんなことからセルビア人はこのところかなり親日的になっているようです。
日本のODA援助があるという事情もありますが、
「ストイコビッチはセルビアの最大の輸出品である」という言葉もあるほど、
セルビア人の実力が日本で認められていることに対して
好感を持っている状況なのです。
同じセルビア人が住んでいるという事情で
スルプスカ共和国は現在もセルビア共和国と結びつきが強くなっています。
そしてそういった事情をよく知ることも、
複雑な旧ユーゴスラビアやボスニア・ヘルツェゴヴィナの状況を
正しく理解することに大きく役立つことでしょう。