4月17日、2011年シーズン第3戦中国GP上海インターナショナルサーキットで開催されました。優勝は今季初となるルイス・ハミルトン。昨年のベルギーGP以来となる通算15勝目を挙げ、ベッテルの連勝を止めることに成功しました。
スタートでは、予選でポールポジションを獲得したベッテルが遅れ、2番手3番手からスタートしたマクラーレンのバトン、ハミルトンに先行され、あわやニコ・ロズベルグにまでパスされそうになりますが、懸命にポジションを守り3位で周回を重ねることとなります。このあとポイントとなるのが各ドライバーのピット戦略。まずトップ争いの中でピットインしたのは4番手走行中のロズベルグ。3番手のベッテルには少し離された状態でしたが13周目と早めのピットインを行ないます。14周目にはベッテルがハミルトンにアタックをかけオーバーテイク。しかしその直後にトップのバトンと一緒にピットインをします。ここで信じられないことに、バトンがひとつ前のレッドブルのピットクルーが待つエリアに入ってしまう失態を犯します。すぐに気付き自分のピットへと急ぎましたが、このピット作業によりベッテルとの順位は入れ替わってしまいました。その次の周にはハミルトンもピットインし、バトンの後ろへつくことに。この段階で実質のトップに立っていたのはロズベルグ。3台がバトルをしているうちに新しいタイヤでまんまと先行する展開に持ち込みました。
その後、ベッテルは先行するロズベルグを2度目のタイヤ交換で抜き、ハミルトンもバトンをパスしてベッテルへの挑戦権を勝ち取ります。2ストップ作戦のベッテルとロズベルグ、フェラーリの2台、3ストップのマクラーレンの2台と、最初にハードタイヤの使用義務を消化しソフトでぐんぐん順位を上げてきているウェバーの図式が出来上がりレースは進みます。
2ストップ作戦で粘っていたベッテルとロズベルグですが、やはりタイヤのタレには勝てずせ、ベッテルが52週目にとうとうハミルトンにオーバーテイクを許します。そのままハミルトンはリードを広げ、うれしい今季初優勝となりました。
レッドブルの強さとマクラーレンの開発力が目立った1戦でした。また、ここに来てメルセデスが徐々に仕上がってきたことも盛り上がる要素です。ここに下馬評は高かったフェラーリの巻き返しが加わり、ヨーロッパラウンドは楽しみなGPになりそうです。次戦トルコGPは、またまたタイヤに厳しいサーキットです。ピレリタイヤをうまく使えるドライバーが勝利をもぎ取ることになりそうですが、それはどのドライバーなのでしょうか。
■F1 中国GP 決勝結果
順位 | No. | ドライバー | チーム |
1 | 3 | ルイス・ハミルトン | マクラーレン |
2 | 1 | セバスチャン・ベッテル | レッドブル |
3 | 2 | マーク・ウェバー | レッドブル |
4 | 4 | ジェンソン・バトン | マクラーレン |
5 | 8 | ニコ・ロズベルグ | メルセデスGP |
6 | 6 | フェリペ・マッサ | フェラーリ |
7 | 5 | フェルナンド・アロンソ | フェラーリ |
8 | 7 | ミハエル・シューマッハ | メルセデスGP |
9 | 10 | ヴィタリー・ペトロフ | ロータス・ルノーGP |
10 | 16 | 小林可夢偉 | ザウバー |
11 | 15 | ポール・ディ・レスタ | フォース・インディア |
12 | 9 | ニック・ハイドフェルド | ロータス・ルノーGP |
13 | 24 | ルーベンス・バリチェロ | ウィリアムズ |
14 | 18 | セバスチャン・ブエミ | トロ・ロッソ |
15 | 14 | エイドリアン・スーティル | フォース・インディア |
16 | 20 | ヘイキ・コバライネン | チーム・ロータス |
17 | 17 | セルジオ・ペレス | ザウバー |
18 | 12 | パストール・マルドナド | ウィリアムズ |
19 | 21 | ヤルノ・トゥルーリ | チーム・ロータス |
20 | 25 | ジェローム・ダンブロシオ | ヴァージン・レーシング |
21 | 11 | ティモ・グロック | ヴァージン・レーシング |
22 | 23 | ヴィタントニオ・リウッツィ | ヒスパニア・レーシング |
23 | 22 | ナレイン・カーティケヤン | ヒスパニア・レーシング |
| 19 | ハイメ・アルグエルスアリ | トロ・ロッソ |