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マクラーレンが2011年を闘うマシン「MP4-26」を発表した。
マクラーレンMP4/6(1991年)から始まってMP4-16(2001年)、そしてMP4/26(2011年)。
この共通点は何でしょう?答えはいずれもワールド・チャンピオンが乗っていること。
これに匹敵するチームはフェラーリだけである。そう考えると、改めてマクラーレンの強さが分かる。
2010年マシンMP4-25がFダクトに特化したマシンということは良く知られている。だがFダクトを有効活用するために、足回りをガチガチ固めてしまい、MP4-25は車のピッチングを嫌ったマシンとなってしまった。
オンボードを確認すると良く分かるが、とにかくこのマシンはよく跳ねる。結局他チームがFダクトを熟成するにつれ、MP4-25の開発が限界となった感はある。またブロウン・ディフューザーとマクラーレン製Fダクトの相性も疑問が残る。
マクラーレンにとって、マシンの空力性能を発揮できずにシーズンを終えたような気がしてならない。
そしてもう一つ。マクラーレン・サイドは認めたがらないだろうが、ハミルトンとバトンというドライビング・スタイルもフィードバックも正反対なドライバーを抱えたため、開発の方向性が乱れたのではないだろうか?
調子の良かった序盤から中盤までは問題がなかったものの、生彩の欠いた終盤戦では、開発がドツボにはまった感はある。
とはいうものの、保守的な空力思想が多いマクラーレンの中で、MP4-25がかなり攻めたデザインであることは間違いない(失敗か成功かは別として)。あれだけ攻めたデザインのMP4-25からどう進化するのか?もしくは更に過激なフォルムとなるのか?
というわけでMP4-26を見てみよう。
マクラーレンの公式HPを見ると、このマシンの3D(といっても飛び出す画像ではない)を見ることができる。これが自動的にグリグリ動いてくれるので、我々ブロガーにはとても助かる。
まずフォルムを見て思うのが、とても攻めたデザインだということ。ただ、攻めすぎると美しさは消えるのね、と思ってしまう(美しさより効率のマクラーレン、効率より美しさのフェラーリという所か?)。
まずサイドプロテクター横のサイドポンツーンがベコっと凹んだデザインが特徴的。おかげでサイドポンツーン開口部がL字型をしている。“┗ ┛”こんな感じか?サイドプロテクターからリアエンドにかけて段差となっており、サイドポンツーンの凹み+サイドプロテクターを使って速く後方に気流を流そうという狙いが分かる。
そのサイドプロテクターの設計のためか、ドライビングポジションが恐ろしく低い。
このサイドプロテクターを利用した空力デザインはMP4-25からの進化版だろう。リア・ウィングへ速い気流を送ることで効率を上げることが目的なのかもしれない。
それに加えてサイドポンツーンの凹みから風を流すことで、ディフューザーの効率を上げることも目的なのだろう。
だが、凹みの気流の行き先が気のせいかリアウイングに向かっているように見えない。いささか疑問が残る。また凹みの丁度前にフロントタイヤがあるため、綺麗に空気が流れるのか疑問でもある。
サイドポンツーンしたのえぐりは角ばっており、どうも洗練されているように見えない。ローバックダウンの設計はMP4-25より急激に落ち込んでいる。
リアエンドは急激に絞り込まれている。このへんも2011年のトレンドを踏襲している。
インダクションポッドは小さい形状に変更。その後方にもう一つあるという凝った造り。シャークフィンも規定寸法以内でこじんまりと収まっている。リアカウルの排熱孔も大きく設計された。
フロントノーズは心持MP4-25より下がった(フロントタイヤの位置を見れば分かる)。面白いことにノーズ上面サイドの隆起はない。へーという感じだ。
で、正面から見ると、なんだかコワい。特に昨年のシンガポールGPで投入(だっけ?)されて不評だった気持ち悪いフロント・ウィングをつけているため、F1マシンとは思えない怖さである。H.R.ギーガーがデザインしたのでは?という感じがする。
気を取り直して解説すると、ノーズはMP4-25より幅広になった。ノーズを下げた点やダッグノーズの採用などかなりドライバビリティに気を配ったと考えられる。
しかし、フロント・ウィング凄いな(笑)。
開発陣も効果がよく理解できていないだろうと思う。
全体的な印象は、過激なフォルムと相まって昨年の弱点を補修した形だ。ちなみにリアサスはプル・ロッドを採用。ホイール・ベースは延長され、リアが後方に伸びた。
またマクラーレンのマシンは見かけだけではなく、もっと秘密があると考えられる(代表のM.ホイットマーシュもそう言っていたし)。
たぶん彼らは開幕まで隠しているだろうね。何だろう?楽しみである。
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