九州大大学院医学研究院の中島欽一教授(神経科学)らの研究グループは、脊髄を損傷したマウスに抗体を投与した上で、ヒト由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)からつくった神経の元になる細胞(神経幹細胞)を移植すると、機能改善の効果が大きくなることを明らかにした。中島教授は「国内に約10万人と推定される脊髄損傷患者の治療法開発の可能性を広げる」としている。
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交通事故やスポーツで脊髄を損傷すると、脳からの情報が伝わらず、損傷部から下はまひ状態となる。傷ついた神経は再生せず、根本治療は確立されていない。現在、慶応大などがiPS細胞由来の神経幹細胞を移植して、傷ついた神経を再び働かせる治療の臨床研究を準備している。
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九大グループは、損傷の拡大や進行に関与するタンパク質「HMGB1」の働きを阻害する抗体に着目した。マウスが脊髄を損傷して5分後と6時間後の2回、抗体を投与し、1週間後に神経幹細胞を移植する併用治療を試みたところ、いずれかの治療だけを施したマウスに比べ、後ろ脚の機能が大きく改善した。
中島教授によると、抗体が神経細胞死を軽減することにより、移植細胞による神経回路の再構築の効率が向上したと考えられる。ただ、損傷から間もない急性期の投与による効果のため、患者が多い慢性期でも効果があるかが課題となる。岡山大などとの共同研究で、米科学誌電子版に発表された。
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