リクガメの中でも初心者向けの種類、ギリシャリクガメの飼育・飼い方についてです。
必要なもの、温度と湿度の管理、餌の与え方などの飼育環境や飼育方法をご紹介します。
ギリシャリクガメは、亜種によって大きさや模様などの違いもあるのも魅力のひとつです。
同じ種類の中から、自分のライフスタイルやお好みにあった亜種を選ぶことができます!
カメ図鑑:ギリシャリクガメ
学名:Testudo graeca
英名:Greace Tortoise
生息地:北アフリカ〜南ヨーロッパ、中近東にかけて
甲長:20〜30cm(亜種ごとに大きさの違いあり)
食性:草食性
サイテス(CITES)付属書2類掲載種
(撮影地:ナゴヤレプタイルズワールド2013)
●ギリシャリクガメの飼育
飼育の基本や飼育環境については、ヘルマンリクガメやロシアリクガメなどと変わりません。
亜種によっても好みの環境が若干違ってくるので、亜種別で事前によく調べておくことが大切です。
・飼育に必要なもの
水槽・・・60〜120cm水槽ほどのスペース。成長とともに大きなケージへ引っ越しします。
ライト・・・紫外線ライト(度数10.0)、保温球(ケージの広さに合わせたW数のものを)
ヒーター・・・セラミックヒーター、パネルヒーターなど。季節や飼育環境に応じて追加。
その他・・・サーモスタット、温湿計、シェルター、水入れ。
・飼育環境とレイアウト
床材は、ヤシガラなど乾燥した素材でありながらある程度の保湿もできるタイプのものが便利です。
(ヤシガラのほかに、ウッドチップ、赤玉土、デザートブレンドなども使うことができます。お好みで。)
床材を5〜10cm前後敷き詰めて、身を隠すシェルターと水入れ、ライトや保温器具をセットします。
飼育下のギリシャリクガメはかなりの頻度でよくお水を飲むので、新鮮な飲み水を毎日用意します。
飲み水は、毎日換えて清潔にします。よく蒸発するので、お水がなくなっていないか注意します。
餌入れや水入れなどは、ひっくり返らないような安定した浅めのものを選ぶのがポイントです。
・温度管理について
高湿度でジメジメした環境がニガテなため、梅雨〜夏は通気性のよい環境で飼育するようにします。
地域によって気候に違いはありますが、基本的には常温。あとは必要に応じて保温器具で補います。
温度・・・ケージ内の温度の目安は25〜30℃。ホットスポットのみ35℃前後で高めに。
湿度・・・乾燥した環境にする。50〜70%前後が目安。
ほかのリクガメさんと同じように、ケージ内の温度はすべて一定にせず、部分で温度勾配をつけます。
ホットスポット(30℃以上)、適温の場所(25℃くらい)、すみっこの涼しい場所(20℃くらい)という感じに
ケージ内でなだらかな温度差をつけて、リクガメさんが好きな場所へ移動できるようにしておきます。
他のリクガメさんと同様に、ケージ内全体に温度勾配をつけ、暖かめの場所〜涼しい場所を作ります。
・餌の与え方について
小松菜・チンゲンサイ・大根の葉など葉野菜を主食に。ほかの野菜や野草もバランスよく。
小松菜などのカルシウムが多い葉野菜を主食にして、副食で他の野菜や果物、野草などを与えます。
タンパク質の多い餌や、配合飼料を与えすぎると、甲羅が凸凹になりやすいため注意が必要です。
美しく丈夫な甲羅を形成するためには、上手にカルシウムを補うのが大切なポイントです。餌と一緒に
爬虫類用カルシウム剤を適量ふりかけたり、イカの甲羅やサザエの殻、卵の殻などをおやつ代わりに
与えるのも効果的です。
●ギリシャリクガメの生態
名前の由来は、甲羅の模様がギリシャ織りに似ているところから来ているとされています。
生息域がかなり広く、北アフリカからヨーロッパ、トルコから中東にかけての広範囲に生息しており、
地域ごとに亜種が分かれています。亜種の分類については様々な説に分かれているため、正確な
分類や見分けは難しいリクガメでもあります。ここでは、よく知られている亜種をご紹介します。
・ムーアギリシャ=基亜種
北アフリカからスペイン南部にかけて生息しており、別名で、「グエラカ種」とも呼ばれています。
地域や個体によって、大きさや模様に差があります。ギリシャリクガメの亜種の中では飼育は難しく、
神経質な性格で病気になったり体調を崩しやすいとされています。(飼育上級者の方向けの亜種。)
・アラブギリシャ(テレストリスギリシャ)
亜種の中では最も小型で、成長しても甲長は15〜20cmほど。寒さに弱く、冬眠することができません。
テレストリスギリシャリクガメとも言われます。中近東(イスラエル、ヨルダン、シリアなど)の地中海
沿岸部に生息しており、全体的にクリーム色〜白っぽい甲羅が特徴です。美しくかわいらしい姿から、
日本ではかなりポピュラーで、人気のある亜種です。CB個体が多く流通しているため安心です。
・トルコギリシャ(イベラギリシャ)
トルコからバルカン半島付近にかけて生息しており、寒さに強く、冬になると冬眠する亜種です。
亜種の中でも特に大型になるタイプで、25〜30cmほどまで成長します。(最大甲長36cm。)
寒さに強く丈夫なため、日本の気候にも適応しやすく成長すると冬眠も可能な亜種です。
・アナムールギリシャ
ギリシャリクガメの中では大型の亜種で、甲長は成長するとおおよそ23〜25cmに達します。
成長とともに黒くなり、縁甲板がフレアー状に広がるためマルギナータリクガメに似た姿になります。
特にリクガメ初心者の方に人気なのは、大きくなっても小型でかわいらしいアラブギリシャです。
ギリシャリクガメは、上手に飼育すれば寿命は30〜50年以上とされており、大変長生きします。
自分の好みやライフスタイルに合った亜種を見つけて、素敵なカメライフを♪まゆみんでした。
解説者 まにあ道イメージガール まゆみん
マニアーナ!公式ブログ :http://ameblo.jp/maniana-mayumin/
マニアーナ!公式Twitter :http://twitter.com/maniana_mayumin
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