平成23年度税制改正に向けて、環境税導入への取り組みが検討されています。この環境税が導入されることによって、約2兆円の増税を見込んでいるとの事。
そもそも環境税とは何なのでしょうか。
環境省によると、環境税は、地球温暖化防止のための有力な手法のひとつとして議論されている税金で、電気・ガスやガソリンなどのエネルギーに課税することで二酸化炭素の排出量に応じた負担をする仕組みです。
それでは環境税を導入すると、どのような効果が生まれるのでしょうか。
導入により化石燃料、電気価格が上昇し、まず使用の抑制が期待できます。一昨年あったガソリン価格の高騰で、遠出をする人が少なくなった事がありましたが、あの状況が日常的になるというのです。また、エコカーやエコ家電といった省エネ商品に買い換える人も増えてくると事が考えられます。
そのほかにも
・税収を活用した地球温暖化対策の促進
・税金負担による消費者の地球温暖化問題への意識の高まり
・温室効果ガスの「国内排出量取引制度」等の対象とすることが難しい小規模事業者や部門に対する温室効果ガス排出の抑制とその促進
・環境税を導入していない途上国などへの生産拠点移転による技術移転の促進と、途上国の排出削減への寄与
等が考えられています。
これだけ見ればいいことばかりに思えますが、はたしてそうなのでしょうか。
これは実質の増税であって、家計に負担を強いるものなのです。環境省が示した家計への負担は、世帯当たり年間で1,127円ですが、算出の前提に特定財源の暫定税率廃止が盛込まれたもので、マイカーを持たない人だと4,000円ほど、単体で見ると実際は年間17,000円ほどの増税なのです。
個人にとってもこれだけ大きなことで、経済成長に影響があると思います。
ただし家計は負担が増えても消費活動を止めるわけにはいかないので、ある程度の税収は見込まれるでしょう。
問題なのは企業活動のほうです。
これについては、日本経団連が2006年に掲げた<「環境税」では地球を守れません>というページにて主張しています。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/pamphlet200611.pdf
そこで「化石燃料価格の引き上げによって、ガソリン消費量は変らない。」といっています。これはエコにはつながりません。
とはいっても、エコ活動を進めるには行動を起こさなければなりません。このまま何も決まらずに進んでいけば、どんどん温暖化ガスが排出され、地球の温暖化は加速されてしまいます。
個人的な意見を言えば、環境税は賛成です。ガソリン価格が高騰すればイノベーションが生まれるという理屈で、一旦経済活動が縮小したとしても、新しい技術によって盛り返してくるはずです。税金が増えた分はその開発費にまわすことで動きを加速させられます。
ただし、しっかりとした税金の使い方がされればの話ですけどね。
コメントはまだありません。