日本のコスプレ文化の歴史と、今から30年以上前の1980年代のコスプレ事情をご紹介します。(解説動画あり)
■1980年代のコスプレあるある
まにコスでは、2022年1月から「中部コスプレ史研究会」を開催。正しいコスプレの歴史を皆さんと一緒に学んで、皆さんに広めようというもの。
第一回では、
コス歴30年以上の皆さんからお聞きした、当時の「コスプレあるある」をまとめてみました。
1、風俗用語と思われがち
「コスチュームプレイ」という言葉は、世間では「性風俗用語」という認識。アニメキャラのコスプレをして、高校を停学処分になった事例も。
2、差別・迫害は当たり前
「アニメや漫画は子供のもの、大人は卒業して当たり前」という時代。好きというだけで、いじめは当たり前。大人がその格好に扮して遊ぶのは、もっと白い目で見られたそう。
※80年代後半の「宮崎勤幼女誘拐殺人事件」や、宅八郎氏の登場で、メディアでのオタクへのバッシングが発生。「オタク=危険・いけないこと・気持ち悪い」といったマイナスな価値観が世間に浸透。世間からのバッシングがさらに強くなったのも、この時期。 |
3、タイムラグは2ヶ月ほど
コスプレやイベントの情報源は、雑誌(アニメージュ、ふぁんろーど、OUTなど)のみ。地方では、情報を得るのにタイムラグが2ヶ月ほど発生したそう。
4、イベント案内は手書き
パソコンやコピー機がないため、イベのチラシやパンフレットは手書き。イラスト、文章、表なども、紙とペンと定規で書き、印刷に出しました。
5、個人情報は全て丸出し
当時は、本名・住所・電話番号は丸出しの時代。コスプレ雑誌やチラシには、イベント主催者や参加者まで個人情報が載りました。
6、イベント前に集会がある
個人間の連絡手段は手紙や家電のみだったため、コスプレイベント前に「事前集会」を開催。主催者から直接、参加者へ必要事項を伝えました。
7、衣装はゼロから手作り
衣装の販売はなく、布や段ボールなどですべて手作り。ウィッグやカラコンは高価すぎて普及しておらず、地毛のまま髪型を似せていました。
8、イベントの内容がちがう
輪になって「花いちもんめ」などの遊びをしたり、コンテストやパフォーマンス形式のステージイベントが主流。今のような撮影イベントではありませんでした。
9、コスプレで移動できた
コスプレ更衣室の用意がなく、公園などの陰で着替えるのが当たり前。コスのままで来場して帰宅したり、電車やバスに乗っても問題はなかったそう。
以上が、昔のコスプレイベントまとめ! とっても楽しそうな反面、この時代のレイヤーさんは、大変な苦労をされてきたのも事実。
世間から罵られても、先人の皆さんから根強く支持され続けた趣味は守られ、今へと繋がります。
日本のアニメやコスプレ文化は「クールジャパン」として世界から評価されるコンテンツへと成長。今では、当たり前のように老若男女がコスプレを楽しめる時代になりました。
まにコスでは、今後も日本のコスプレの歴史を研究し、皆さんにお伝えしていきます。
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