♪ポートアーサーで生まれた あの女の歌を聞いた
ハリウッドで死んでいった あの女の歌を聞いた
むき出しの100万ボルト 風に揺れるタンポポだ
この歌詞を見て、メロディが思い浮かぶ人は、ブルーハーツマニア。
この歌詞を見て、「あの女」が誰か分かる人は、ロックマニア。
ブルーハーツのシングル「あの娘にタッチ」のカップリング曲、「わーわー」。
マーシーのめちゃかっこいいパンクナンバー、しかもライブ・バージョン。ヤバイ。
でも今日の主役は、「あの女」。
荒々しいイメージとは裏腹に、知的でシャイで、家族や恋人思いで、淋しがり屋。
学校ではいつも仲間外れで、大学をドロップアウトして、歌手になった。
歌手になって、彼女は変わった。
だって、歌うとスゲー。
なんか、ヒロトに似てる。(ん?ヒロトが似てるんか?)
ハスキーな歌声と、魂そのものが叫ぶようなシャウトは、聞く人の心を打つ(撃つ)。
♪それは僕の心臓ではなく それは僕の心に刺さった (ハイロウズ「14才」)
という感じ。
英語で、少し舌っ足らずで、何歌ってるのか分からないけど、
日本人を泣かせられる。
もし今でも生きていたら、きっとパティ・スミスのようにみんなから尊敬される大御所歌手になっていたのかも。
でも、彼女はきっと、少し繊細すぎた。
恋人が彼女に冷たかったのか、世の中が彼女に冷たかったのか。
まだデビューする前から麻薬や覚せい剤を常習して、アルコールも大量に飲んでいた。
ステレオタイプなロックンロール・ライフを送っていて、
その分、身を滅ぼすのも早く、たった27歳でこの世を去った。
天才は、亡くなってしまうのが早い。
ジミヘン、ジム・モリソン、ブライアン・ジョーンズ、更にカート・コベインも、27歳で亡くなっている。
最後のアルバム「Pearl」の中の「Buried Alive in Blues」という曲は、
本当は彼女の歌が録音されるはずだったけど、その前に他界してしまった。
だからこの曲はボーカル無しだけど、
めちゃファンキーなのにめちゃ悲しいから、泣ける。
だいたいタイトルが、「生きながらブルーズに埋められて」って。
そんな悲しき歌姫、もうお分かりですよね?
そう、ジャニス・ジョップリンです。
ヒロトもマーシーも、ジャニスが大好きなのね。
この「わーわー」っていう曲のカッコイイこと!!