国民医療費は、患者数×患者1人当たりの医療費で算出されるので、患者数が多くても、患者1人当たりの医療費が高くても総額は高くなります。たとえば、厚生労働省「2014年患者調査」によると、循環器系疾患の患者はがんの患者の4〜10倍いることが推計されています。また、65歳以上の女性で、筋骨格関連の患者はがん患者の5倍程度と推計されています。つまり、筋骨格関連や循環器系の疾患については、がんほど患者1人当たりの医療費は高くないものの、患者数が多いことによって総額が高くなっていると考えられます。
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1人の人が生涯で必要となる平均医療費である「生涯医療費」も増加しています。2015年度データによれば、男性が2580万円、女性が2820万円でした。男女とも70歳以上で生涯医療費のおよそ半分を使います。自己負担するのは、このうち、所得と年齢に応じて1〜3割で、残りは公的医療保険で賄われます。
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