現在のF1マシンでトレンドとなっている「ゼロキール」
その「ゼロキール」の説明の前に、他のマウント方法について、
「シングルキール」モノコック底辺の真ん中から短い棒(キール)を設け、そこにロワアームをマウントする方法です。
サスペンションの強度面で優れ、セッティングの自由度の面で有利な方式ですが、空力面では難があります。
「Vキール」シングルキールに似ていますが、ロワアームとのマウント部分をVの字上にし、2本のキールで支える方法です。
この利点は、シングルキールでは、フロント部より空気が流れ込む位置にキールが存在してしまいますが、ツインキールではその部分を空けることによりノーズ下面に大量の空気を流し込め、空力面でメリットがあります。
また、強度面、セッティングの自由度の面でもメリットはあります。
2007年はルノーのみ使用。
「ツインキール」モノコック底辺のから独立した短い棒を2本設け、それぞれに左右のアームがマウントされる方法です。
Vキールと同様、空力面でメリットはありますが、強度面で難があり、キール部分を短くしていることにより補っています。そのため、次のゼロキールと同じような構造に落ち着いています。
そして、
「ゼロキール」キールを設置せず、ロワアームを直接モノコックに取り付ける方式です。
この方式は、セッティングの自由度面で他の方式に劣りますが、空力的にモノコック下部へ遮るものが無い為、ダウンフォース発生において断然有利です。
最近のマシンのサスペンションは、ほとんどストロークしなくてもいい方向な為、特異なジオメトリーでも耐えられます。
空力全盛の最近のF1マシンにおいて、ブリジストンタイヤ(ワンメイクタイヤ含み)との相性もあり、フロントのダウンフォースを重視した「ゼロキール」が主流となっています。
ちなみに、ゼロキールを採用した最初のマシンは「マクラーレンのMP4−20」。さすがニューウェイ!!
ネタ:
天才空力スペシャリスト「エイドリアン・ニューウェイ」
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